ウェイン・ロッター氏を悼んで


事務局長の筒井です。
先週、アフリカで長年ゾウの保全に力を尽くしてこられた、PAMS財団の共同創設者ウェイン・ロッター氏が殺害されるという、残念な、そしてとても悲しい知らせがありました。

報道では、タンザニアの首都ダルエスサラームで、車に乗っていたところを武装した男たちに襲われ、銃で撃たれたそうです。

ロッター氏は近年、密猟が激化し、5年間で個体数の6割のアフリカゾウが殺されたというタンザニアで、海外の政府や機関とも協力しながら、保護活動に奔走してきた中心的な人物の一人でした。

彼はまた、アフリカで活動するWWFやトラフィックのスタッフたちとも、活動を共にした同志でした。

タンザニアではPAMS財団とWWFが協力して、保護区の村で働くレンジャー(保護官)の訓練と、地域社会への普及活動を支援する取り組みを行ないました。

また昨年は、レンジャーたちを守るための新しいガイドラインも共同作成しました。

年間1,000人以上のレンジャーが亡くなり、しかもその8割が密猟者や武装集団との戦いで倒れているアフリカの現状を変え、レンジャーたちの命を守ろうと、このガイドラインを精力的に手掛けたロッター氏が、同じ凶弾の犠牲になろうとは、本当に言葉がありません。

密猟が野生動物だけではなく、人をも殺害し、無知の消費者を食い物にする、許されざる犯罪であることは明白です。

ロッター氏を失ったことは、アフリカゾウの保護に携わる人々にとって、そして現地の活動にとって大きな打撃となるでしょう。

レンジャーのためのガイドライン。PAMSやWWFなど、多くの保護団体が協力して作りました。

ですが、取り組みは続きます。密猟、密輸が終わる日まで、この戦いは続きます。

彼の死を悼み、その志を継ぐ世界の人々のその一人として、日本でも今、為すべき取り組みを行なってゆきたいと思います。

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局長
筒井 隆司

WWFジャパンが中長期戦略を立案し、様々な分野のリーダーとの交流で時代の要請に応えられる団体にする。人事・予算を管理し役員会・APGS・WWFネットワークとの折衝と貢献を担う

長い海外勤務経験を活かし、日本が持続可能な成長に貢献出来るよう尽力したいと思います。せっかく国際環境保護団体にいますので"Be a voice, not an echo"を実践して日本の考えや主張を積極的に発信したいと思います。還暦を過ぎても気持ちは青年を維持したいと思います。

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