チョコっと覗くカカオ生産の裏側
2024/09/24
コトカ国際空港を出ると聞こえてくる家族や友人を出迎える人たちの歌や太鼓の音。
ここは日本から約13,000km離れたガーナ共和国。
私たちが今取り組んでいる、西アフリカの森林保全と、持続可能なカカオ生産のフィールドがある国です。
ガーナはチョコレートの原材料となるカカオの世界有数の生産地。
日本に輸入されるカカオの7割以上はガーナ産です。
しかし、その生産のためガーナではカカオ農園が急激に広がり、森林破壊を引き起こしてきました。
特に、カカオの木ばかりを栽培するモノカルチャー農園の拡大は、植物の多様性を損ない、森林を劣化させる大きな要因になっています。
そこで、WWFジャパンは2022年から、カカオのモノカルチャー農園をアグロフォレストリーに転換するプロジェクトを実施しています。
農園の生産性を上げ、新たな森の開発を防ぐことがその目的です。
実はカカオの木は直射日光が苦手。
そこで日陰を作ってくれる樹木(シェードツリー)を植えることで、カカオ豆の生産に適した環境を整えます。
また、シェードツリーに、もともとガーナの地に生育していた在来植物を選ぶことで、森の生物多様性を回復させる効果も期待できます。
こうした多様な植物を組み合わせて行なう農業が「アグロフォレストリー」なのです。
大切なことは、農家さんがシェードツリーの機能や重要性をしっかり理解していること。
そうした農家の皆さんと共に、持続可能なカカオの生産を目指していく、その第一歩として、アグロフォレストリーの取り組みをしっかり進めていきたいと思います。
こうした活動を通じて、チョコレートが好きな皆さんに、ぜひカカオが抱える問題について、より深く知っていただきたいと考えています。