目に見えない認証フル活用! マルホンのショールーム
2020/11/06
「目に見えるものに価値を置く社会と、目に見えないものに価値を置くことができる社会の違いをぼくは思った。そしてたまらなく後者の思想に魅かれるのだった」
イヌイットが持つ自然感を語った、この星野道夫さんの言葉の意味と少し異なりますが、九州初となる「FSC®プロジェクト全体認証」を取得したショールームを手掛けた株式会社マルホンに話を伺った際にこの言葉を思い出しました。
FSCは木材や紙などの林産物が、自然や周辺に暮らす人々の生活にきちんと配慮しながらつくられたことを示すエコラベルの一つ。
その「プロジェクト全体認証」というのは、建物などの建設を1つのプロジェクトとみなし、その全体を認証するものです。
完成までの苦労は大きかったようです。
建物全体の認証ということは、使う一つ一つの木材も認証されたもの(或いはそれ相当の材)でなければなりません。
国内でそうした認証材を探し出すには、現場まで足を運び入念に確認する必要もあるため、予定より半年も長い工期を要したそうです。
その苦労の末に見つけてきた材は、床や階段はもちろん、天井や壁の裏など普段は目にふれない所にも使われています。
しかも、FSC認証の国内認知度は2割と低く、ショールームに訪れるお客様が必ずしもFSCを知っているわけではないそうです。
なぜわざわざ大変な道を選んでFSC認証を取得されたのでしょうか。そこには「FSC認証商品を売る立場として、自分達が使う建物も認証を得ていなくては」という社会的責任が動機としてあったそうです。
たとえ目に見えなくても、自然や人々に配慮した材にこだわる姿勢に、とても共感しました。
皆さんから見えないところにも、こうした配慮や認証材があるということをぜひ知って頂き、身近な木材に関心を持つきっかけになればと思います。
森林グループ・天野