ミジンコの目はいくつ?
2019/10/23
森林グループの岩渕です。
環境保全に身を置く以前は、ミジンコを使って物質循環の研究をしていました。
ミジンコについて誰かに話すとき、よく聞く質問があります。
それは、「ミジンコの目はいくつあるか?」というものです。
答えは、1つです。
魚のように両側に1つずつあるようにも見えますが、中心に1つあるだけで、体が透明なので両側から見えるのです。
※厳密にはこれは複眼で、明るさだけを感じる単眼も持っているので、2つとも言えますね!
ミジンコは漢字で「微塵子」と書きます。
漢字の通りとても小さくて、取るに足らないような生きものに思えるかもしれません。
しかし実際は、魚をはじめさまざまな生きものの食物でもあり、田んぼや湖などの淡水生態系を支える縁の下の力持ちなのです。
メダカもミジンコは大好物で、水槽にミジンコを入れると、ものすごい勢いで食いつきます。
その一方で、ミジンコは水質に敏感な生きものでもあり、農薬が不適切に使われれば、すぐさま姿を消してしまうのです。
そうなれば、ミジンコを食物とする魚類や生態系全体にまで影響が及ぶかもしれません。
よく見るとチャーミング(?)で、意外にファンも多いミジンコ。
たまには小さいものにも目を向けて、ミジンコを探してみるのはいかがでしょうか。
田んぼによくいる種でも3mmに達するので、肉眼でも見ることができます。
風で水と一緒に押し流され、風下側に大群となっていることがよくあります。
水を張っている田んぼなら、この時期でもまだ見られるかもしれません。
そんなミジンコも含めて、田んぼとそこに暮らす生きものを守るWWFの活動を、ぜひ応援してください。
ミジンコの小さな目から見ても、すみやすい田んぼが増えるように。