生きものと仲良くなるための、はじめの一歩とは?
2019/10/08
生きもの、乗り物、歴史でも何でも、何かが好き!という方が、必ず手に取るものといえば「図鑑」ではないでしょうか。
私も多分にもれず図鑑の愛好者ですが今回、皆さんにより関心を持っていただくきっかけにと、今やっている「失われる命の色」キャンペーンの特設ページに魚たちの「図鑑」のコラムを作りました。
しかし、これがなかなか難しいのです。
そんな中、先日、小学館「図鑑NEO」シリーズ編集長の北川吉隆さんに、お話をうかがう機会をいただきました。
心に残ったのは、図鑑作りでは「とにかく正確な情報を載せること」「紙面をシンプルに、出来るだけ鮮明な写真やイラストを載せること」が大切というお話。
「知る」ことの基本を突き詰めた視点です。
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「図鑑はただのデータベースとは違う。パラパラめくりながら閲覧することで、自分が知りたい種がだいたいどこに載っているか分かったり、進化の経緯がつかめたり。パソコンやスマホにはない『一覧性』が図鑑の強みなんです」と、北川さん。嬉しそうにお話しされていたのが印象的でした。
これは、小学館が「学習図鑑」を創刊した60年以上前から、引き継がれているものでもあります。
その第1巻『植物の図鑑』の巻頭言で、監修者の本田正次さん(東京大学教授)は、こんな言葉を残されています。
「植物をよく観察し、よく採集して標本を作り、植物とよいお友だちになることは植物を研究するにあたって一番たいせつなことです。
植物とお友だちになるには、まず種類のなまえを知らねばなりません。」
これには、はっとさせられました。
今回、私たちが紹介しているのは魚ですが、「タナゴ」という名前の魚は、実際何種類もいます。
どんなタナゴが、どんな理由で減っているのか?
保護活動においても、まず正しく名前を知り、よく知ることが、第一歩なのです。
その大きな助けとなる図鑑の意義と本質は、昔も今も何ら変わりません。
私たちのページの「図鑑」も、皆さんと生きものたちを繋ぐきっかけとして、これからも成長させていきたいと思います。
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今や多くのジャンルがある図鑑ですが、昔も今も人気を二分するのは「昆虫」と「恐竜」。「お魚」は4~5番目だそうで、やはり人気があるようです。