「きっと、そらでつながってる。」
2019/10/12
今日、10月12日は、「世界渡り鳥の日」です。
渡り鳥とその生息地を守るため、国際協力や世界の認識を高めるために定められた日で、毎年2回、5月と10月の第2週土曜にやってきます。
森や砂漠、ツンドラ、干潟、マングローブ、水田など、さまざまな環境を利用しながら、毎年国境を越え、長い旅をする渡り鳥は、多様な自然を象徴する野生生物。
その保全は、世界各地のWWFにとっても大事な活動の一つです。
私たちも今、WWF中国の仲間たちと、黄海沿岸の重要湿地「ナンプ湿地」の保全に取り組んでいます。
ここはシギやチドリ、カモメ類など数多くの渡り鳥の飛来地で、実はその中に、日本でも見られる種が多くいます。
日本と中国はどちらも、同じ一つの鳥の渡りルート「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ」に属する国。
この2つの国には、共に干潟や藻場など重要な湿地が多くあるのです。
人がつくった二次的自然の「水田(田んぼ)」もその一つ。
特に九州の有明海沿岸などでは、干拓地の水田と海辺の干潟が、水の流れを通じて一つの景観を生みだし、両方の自然を利用して生きる渡り鳥たちに、欠かせない環境となっています。
しかし、こうした水田や水路の自然は、改修工事などによって豊かさを失い、そこに生きるドジョウやメダカなどの魚も、絶滅が心配されるまでになりました。
渡り鳥たちによって「そらでつながってる」この自然。
今、渡りのシーズンを迎える中で、私が担当として取り組む渡り鳥の保全と、水田・水路の生きもの保全の「つながり」、そして大切さを、あらためて感じています。
空の架け橋となる渡り鳥にとっても大切な水田の生態系を守るWWFの取り組みを、皆さまもぜひ応援してください。(海洋水産グループ:吉田)