「気候マーチ」50万もの気候危機の解決を求める声が集結!
2019/12/07
午後6時、地下鉄の駅を出るとすぐに、マドリード中心部のプラド通りをめざす人の波に飲み込まれました。その一人ひとりが、メッセージやイラストを描いたプラカードを掲げ、仮装をし、歌を口ずさみ、軽やかにステップを踏んでいます。気候危機の解決を求める行進は、何キロにもわたり大通りを埋め尽くしています。
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昨年8月、スウェーデンの高校生、グレタ・トゥーンベリさんが一人で国会議事堂の前で始めた「学校ストライキ」。その勇気ある行動は若者たちの共感を呼び、日本を含む世界中に「未来のための金曜日(Fridays For Future)」と呼ぶ活動が広がりました。
やがて若者たちの熱意は多くの市民の心も動かし、わずか1年半であらゆる世代がこの運動に参加。今では世界の主要都市で、毎週金曜日に気候マーチが行われています。
そして、国連の温暖化防止会議COP25が開催されている、ここスペインのマドリードでも、「気候マーチ」(行進)が行なわれました。
報道によれば、その数は50万人。
見渡すかぎり続く行列の中には、若い両親に抱かれた赤ちゃんもいれば、自分で描いたというプラカードをもつ小学生も、クラスメイトといっしょにやってきた高校生のグループも、「若くはないけれど黙っていられなくて」とおだやかにほほえむ高齢者もいます。
さらに、参加している団体も、環境NGOだけでなく、労働組合、文化やスポーツのサークルなどあらゆる分野にまたがっています。
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世界中に広がった「未来のための金曜日」を始めたグレタ・トゥーンベリさんを讃えるプラカード
行動を始めた市民は、開幕を前にした11月29日にも、COP25さなかの今日も世界中で街頭にくりだし、会議場にいる交渉官や閣僚にも行動するよう求めました。各国政府が必要とされる行動をとるまで、市民がマーチを止めることはないでしょう。
会期2週目の来週月曜日には、いよいよ閣僚級会合が始まります。気候危機の回避を願って行動する世界中の市民の期待がCOP25の成果に反映されるよう、私たちも後半の1週間も積極的に活動していきます。どうぞ最終日まで応援してください。(自然保護室・小西)
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横断幕に込めたWWFのメッセージは「今しかない!」。気候緊急事態を認識し、一刻も早く行動することを訴えながら、およそ2時間にわたって行進しました。