2月2日はWorld Wetland day「世界湿地の日」
2019/02/02
本日はワールド・ウェットランド・デイ、「世界湿地の日」です。
1971年の今日この日に、「ラムサール条約」が採択されたことを記念し、制定されました。
これは当初、水鳥の保護を主目的としていましたが、現在ではウェットランド、すなわち「湿地環境」を広く保全し、「賢明な利用」を進める条約として、世界の国々をリードしています。
ところでこの「ウェットランド」、実際どのような自然が含まれているか、ご存知でしょうか。
尾瀬ヶ原や釧路湿原のような湿原。海岸の砂浜や、河口に広がる干潟。また川や湖などは? サンゴ礁はどうでしょう。
実はこれらはすべて、ラムサール条約で定めるところの「ウェットランド」です。
サンゴ礁については全てではありませんが、「水深6m以内の海域」が含まれるため、石垣島・白保のサンゴ礁などは、立派なウェットランドなのです。
もう一つ、このウェットランドの面白いところは、「自然か人工か」を問わないこと。
その視点で見ると一つ、日本の素晴らしいウェットランドの景色が見えてきます。
「水田」です。
水田やそこを巡る水路、ため池などは、人が作った湿地環境ですが、長い間、人がこのいとなみを続けてきたことで、この自然を主な生息環境とする野生生物が数多く生まれてきました。
実際、アユモドキやカワバタモロコなど、日本しか生息していない国際的にも希少な生物は少なくありません。
今、こうした水田の自然が、全国各地で失われようとしています。
四季折々、多彩な彩りと、多様な命の息吹を感じさせてくれるこの景観が、世界的にも価値のある自然なのだ、ということを、今日この「世界湿地の日」にぜひ思い出していただければと思います。(自然保護室 並木)