スラウェシ島、自然に配慮したエビ養殖の現場より
2018/11/02
日本の皆さんこんにちは。
インドネシア・スラウェシ島より、WWFインドネシアのイダムです。
私の生まれ育ったここスラウェシ島は、赤道上に浮かぶ熱帯の島で、多様な自然に恵まれ、クロザルやバビルサなど珍しい固有の野生動物も多く生息しています。
この生まれ故郷の自然環境を守りたいという思いから、私はWWFインドネシアに入り、今は島の養殖に関するプロジェクト担当をしています。
そのプロジェクトの一つに、日本の皆さんに深く関係するものがあります。
南スラウェシ州のピンラン県という場所で行なっている、エビ(ブラックタイガー)養殖業改善プロジェクトです。
エビは多くが日本に輸出されているので、皆さんが食べているエビもスラウェシ島で生産されたものかもしれません。
なぜ、自然保護団体のWWFが養殖に関係しているのか?
その理由は、大規模な養殖場の開発や運営が、沿岸の自然破壊や、餌や薬品などによる汚染を引き起こす原因になっているためです。
このプロジェクトでは、養殖池の自然環境や周辺の地域社会、また養殖池で働く人たちに配慮した養殖であることを示す、ASC認証の取得を目指しています。
そのために、養殖池をつくるために伐採されてしまったマングローブの再生や、労働者の人たちへの水質調査のトレーニングなど、さまざまな活動を行なっています。
ここで生産されるエビをはじめ、皆さんが普段食べている食材の中には、こうした熱帯の現場で作られているものが、実はたくさんあります。
日本での生活も、こちらの野生動物や人の暮らしに大きく関係しているのです。
日本の皆さんも、エビを手に取ることがあったら、私のプロジェクトを思い出して、応援していただけると嬉しいです!(編訳:水産担当 吉田)