朝日SDGs ACTION!ウェビナー「WWFと考える SDGsの実践セミナー」第1回 脱炭素戦略のポイントを開催
2023/06/19
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- 2023年6月9日、WWFジャパンは朝日新聞SDGs ACTION!編集部との共催によるウェビナー「WWFと考える SDGsの実践セミナー『先進企業の事例に学ぶ 脱炭素戦略のポイント』」をオンラインで開催しました。このウェビナーでは花王株式会社より自社の取り組むESG活動、特に脱炭素に向けた先進的な取り組みを紹介。WWFジャパンからも気候変動の問題の現状と、企業が今後、世界の脱炭素に向けどのような貢献ができるのかを解説しました。当日の参加希望者は約200名にのぼり、多数のご質問を頂きました。
企業による脱炭素の先進事例を紹介
WWFジャパンは朝日新聞SDGs ACTION!編集部との協力のもと、2021年より連載企画「WWFと考える~SDGsの実践」を実施してきました。
その企画の一環として、2023年6月9日、企業の環境への取り組みの最前線を語ってもらうウェビナーの第1回を開催しました。
このウェビナー企画は、企業でSDGsに関連する部門の担当者や、サステイナビリティー、気候変動などに関心のある企業関係者を対象としたものです。
第1回のテーマは、「先進企業の事例に学ぶ脱炭素戦略のポイント」。花王株式会社の高橋正勝ESG活動推進部長をお招きし、同社の取り組みの経緯や現状を紹介いただきました。
花王は、気候変動対策の分野で「2040年カーボンゼロ」「2050年カーボンネガティブ」という高い脱炭素目標を公開しており、気候変動以外にも、「ごみゼロ」「水保全」「大気および水質汚染防止」を含む幅広いテーマにおいて、先進的な取り組みを行なっています。
その幅広い取り組みは国際的にも評価され、イギリスのNGOのCDPから「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」の3分野において、3年連続で最高評価の「Aリスト企業」に選ばれています。
企業による脱炭素の先進事例
ウェビナーでは冒頭、WWFジャパンの気候・エネルギー担当の田中健が登壇。深刻化する気候変動の待ったなしの状況と、これからの企業に求められるネットゼロのあり方について解説。
続いて高橋部長より実際の施策内容だけでなく、企業内でどのような組織体制や意思決定のプロセスを通じて脱炭素に取り組んできたのか、具体的なお話をしていただきました。
また、その後、朝日新聞SDGs ACTION!の高橋万見子編集長のコーディネートのもと、花王の取り組みの先進的な点と、これから企業が取り組んでいくべき内容や課題についてのトークセッションを実施。参加者よりお寄せいただいたご質問にもお答えする形で、ディスカッションを行ないました。
その中で、WWFの田中は、企業の取り組みのポイントとして、まず方針や目標を明確化すること、そしてそれを、SBTやRace to Zeroといった、国際的なスタンダードに則した形で実践していくことの重要性を強調。花王の取り組みの先進性も、まさにそうした形での実践になっている点を指摘しました。
また、高橋部長からは、企業としての脱炭素戦略の立て方や、それを推進するための組織的な工夫、社内から広くアイデアを募る仕組み、さらには実践にあたって抱えている、将来性、コスト、人材に関連するさまざまな課題や悩みなど、これから脱炭素の取り組みを本格化しようとしている企業にとって、非常に参考になるお話をいただきました。
脱炭素は一つの企業の取り組みだけで達成できるものではありません。サプライチェーンでつながっている、消費者を含めたさまざまなステークホルダーによる、理解と連携がカギになります。
今回のウェビナーは、そうしたつながりを視野に入れながら、環境について先進的な取り組みを行なっている企業とWWFという環境保全団体の対話、視点を通じ、ビジネスによる脱炭素についての今後の展望を示す機会となりました。
なお、本ウェビナーについては、2023年6月中に、朝日新聞SDGs ACTION!のウェブサイトに採録記事が掲載される予定です。
イベント概要:WWFと考える SDGsの実践セミナー『先進企業の事例に学ぶ 脱炭素戦略のポイント』
開催日:2023年6月9日
会場:オンライン開催
参加者:約200名
登壇(敬称略):
花王株式会社 ESG活動推進部長 高橋正勝
WWFジャパン気候・エネルギーグループオフィサー 田中健
朝日新聞SDGs ACTION! 編集長 高橋万見子
主催:朝日新聞SDGs ACTION!編集部、WWFジャパン