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外務省の支援による、インドネシアの森林コミュニティ支援事業がスタート

この記事のポイント
外務省の「日本NGO連携無償資金協力」(通称:N連)により資金供与を受け、WWFジャパンは、WWFインドネシア、スマトラ島のジャンビ州テボ県政府機関、農民グループ、教職員等と協力し、インドネシアのジャンビ州テボ県の3つの村で、森林コミュニティの持続可能な生計の向上と教育の促進を目指す事業を2024年3月から2025年3月まで展開します。この取り組みは、危機に瀕するインドネシアの熱帯林と生物多様性の保全に寄与するものです。

N連事業:地域コミュニティと手を取り合って

プロジェクトの概要

インドネシア・スマトラ島のジャンビ州は、約40万ヘクタールの原生林を有するブキット・ティガプル国立公園を擁し、豊かな自然と多種多様な生物が共存する地域です。

しかし、パーム油プランテーションの拡大、違法伐採、農地への過剰な土地転換などにより、森林破壊や自然資本の減少が進んでいます。

この結果、地域農民の持続的な生計手段も脅かされており、その影響が懸念されています。

こうした状況を改善するため、この事業は、以下の4つのアプローチでこれらの問題に取り組みます。

  1. 農産物の集約センターの建設と農業生産工程管理(GAP)の指導・支援:テボ県の3つの村の農家を対象に農民にGAPの技術をお伝えし、さらに集約センターを2つ建設します。これにより、農業生産性を向上させ、農民の生計の安定を図るサポートをします。
  2. 持続可能な開発のための教育(ESD)の普及:地元の対象学校でESDを実施し、環境保全の重要性を訴えることで、次世代の環境リーダーの育成が期待できます
  3. 意識改革:コミュニティ全体で持続可能な森林コミュニティ開発に関する意識を高めるようお手伝いをします。
  4. 政策提言:現地政府機関をはじめ多様なステークホルダーと協力し、持続可能な農業とESDの推進に向けた政策提言を行なうことで、他地域に成果を波及させ、持続性を確保することを目指します。

事業開始のキックオフ会議

本事業を実施するにあたり、2024年4月3日に、テボ県政府ジョコ・アルディアワン第2補佐官(経済担当)のリードのもとで、テボ県開発計画・研究開発局講堂において、政府カウンターパートであるテボ県政府農園局と、教育局、WWFインドネシア、及びWWFジャパンの間で事業実施議定書(MOA)の署名を交換しました。

署名式のあとに開催されたキックオフ会議には、上記政府カウンターパートに加え、開発計画局、環境・廃棄物局の職員のほか、教員や農民、青年団の方など合計36名以上が出席しました。

アルディアワン第2補佐官、WWFインドネシアのデデ・ヘンドラ・スティアワン森林・野生動物プログラム長(スマトラ)、WWFジャパンの本田隆史公的セクター連携(PSP)グループ長による開会挨拶が行われた後、ジャンビ事業チームのチーム・リーダーであるナズリ・ヘリムシャから事業概要全般のプレゼンテーション説明を行ない、今後1年にわたる事業活動とその目的について協議を行いました。

その後、質疑応答・ディスカッションの場において活発な意見交換や積極的なフィードバックを得ました。

本事業の実施と学びを通して得られる成果はモデルケースとして、事業対象地域や対象校のみならず他地域や他校にも普及することで、広くコミュニティに貢献できればとの期待が寄せられました。

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2024年4月3日のMoA署名式会場の様子

WWFジャパンは、WWFインドネシア、そして地域行政及び事業関係者との連携を通じて、森林コミュニティの生計向上を支援し、子どもと青少年の持続可能な教育を推進することで、人と自然が調和して生きられる未来を目指します。



引き続き、皆様からの温かいご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

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