マグロの資源管理を行なう国際機関
2014/08/11
海は特定の国に属さないエリアも広く、環境の保全や資源の管理を実現するのは、簡単なことではありません。そこでマグロについては、世界の海域ごとに、マグロの資源管理を目的とした5つの国際管理機関があり、資源管理のためのルールを定めています。これらの国際条約は それぞれ、科学的な資源評価を行ない、海域ごとに各国が獲ってよいマグロの量や大きさ、漁期などを魚種ごとに定めています。さらに、マグロを獲ってよい漁 船や、操業することが許された蓄養場を登録し、登録されていない漁船や蓄養場、ルールを守らない漁船や国からの輸入を制限するための、勧告も行なっています。
国境を越えた取り組みのために
海の中の魚は適切に資源管理をすれば、持続的に利用することができます。適切な管理とは、獲ってよい魚の量、大きさや時期を決めたり、獲る目的のない生物まで獲らないようにしたり(混獲の回避)、漁獲の際に海の生物がすむ生息環境を破壊しないようにすることです。マグロについてはこうした取り組みを行なうために、下記のような国際機関が検討の場として運営されています。
略称 | 日本語名称 | 対象海域 |
---|---|---|
ICCAT | 大西洋 | |
IOTC | インド洋 | |
IATTC | 東部太平洋 | |
WCPFC | 中西部太平洋 | |
CCSBT | ミナミマグロ生息域(海域を定めず) |
各条約の管理対象海域図
マグロ漁業国であり、市場国である日本はこのすべての国際管理機関に加盟しています。これらの国際管理機関はそれぞれ毎年会合を開き、漁獲量やルールが守られているかどうかを議論します。
しかし、これらの国際機関も、まだたくさんの課題を抱えており、充分な形でのマグロの資源管理は実現されていません。ルールを無視した違法な漁業や、明らか に過剰な漁獲が今も続けられているからです。今のまま、大量に安いマグロを食べつづけたらどうなるでしょうか?マグロ資源は減り、生態系が破壊されること につながります。
ルールを守るのは漁船、漁業国の責任であるだけでなく、それを監視しルールが守られているもののみを扱うことを通して、資源や環境を守るのが、流通企業と消費者の責任でもあるのです。
違法漁業、過剰漁獲の事例
マグロの資源管理のための国際的な枠組みがあっても、それが活かされなかったり、枠組みを逸脱するようなことが横行すれば、資源は枯渇してしまいます。最近でも次のような違法漁業や過剰漁獲が行なわれてきたことが明らかになっています。
各機関の会議
WCPFC関連(中西部太平洋)
会議名 | 関連記事 | |
---|---|---|
2016年 | WCPFC第12回北小委員会 8月:福岡(日本) |
|
2015年 | WCPFC第12回年次会合 12月:バリ(インドネシア) |
|
WCPFC第11回北小委員会 9月:北海道(日本) |
||
2014年 | WCPFC第11回本会議 12月:アピア(サモア) |
|
WCPFC第10回北小委員会 9月:福岡(日本) |
||
ISC14本会議 7月:台北(台湾) |
||
ISC資源評価結果発表 4月: |
||
2013年 | WCPFC第10回本会議 12月:ケアンズ(オーストラリア) |
|
WCPFC第9回北小委員会 9月:福岡(日本) |
||
ISC13本会議 7月:釜山(韓国) |
||
ISC資源評価結果公表 1月: |
||
2012年 | WCPFC<第9回本会議 12月:マニラ(フィリピン) |
|
WCPFC<第8回北小委員会 9月:長崎(日本) |
||
ISC12本会議 7月:札幌(日本) |
||
WCPFC第8回本会議 3月:グアム(アメリカ) |
||
2011年 | WCPFC第7回北小委員会 9月:札幌(日本) |
|
ISC11本会議 7月:サンフランシスコ(アメリカ) |
||
2010年 | WCPFC第7回本会議 12月:ホノルル(アメリカ) |
|
WCPFC第6回北小委員会 9月:福岡(日本) |
||
ISC10本会議 7月:ビクトリア(カナダ) |
IATTC関連(東部太平洋)
会議名 | 関連記事 | |
---|---|---|
2016年 | IATTC第90回年次会合 6月:ラホヤ(アメリカ) |
|
2015年 | IATTC第89回年次会合 6月:グアヤキル(エクアドル) |
|
2014年 | IATTC臨時会合 10月:ラホヤ(アメリカ) |
|
IATTC第86回本会議 7月:リマ(ペルー) |
||
2013年 | IATTC第85回本会議 6月:ベラクルス(メキシコ) |
|
2012年 | IATTC第84回本会議(臨時) 10月:ラホヤ(アメリカ) |
|
IATTC第83回本会議 6月:ラホヤ(アメリカ) |
||
2011年 | IATTC第82回本会議 7月:ラホヤ(アメリカ) |
|
2010年 |
IATTC第81回本会議 |
ICCAT関連(大西洋および地中海)
会議名 | 関連記事 | |
---|---|---|
2014年 | ||
ICCAT第19回特別会合 11月:ジェノヴァ(イタリア) |
||
2013年 | ICCAT第23回年次会合 11月:ケープタウン(南アフリカ) |
|
2012年 | ICCAT第18回特別会合 11月:アガディール(モロッコ) |
|
ICCAT科学委員会 10月: |
||
2011年 | ICCAT第22回年次会合 11月:イスタンブール(トルコ) |
|
2010年 |
ICCAT第17回特別会合 |