ICCAT(大西洋マグロ類保存委員会)の年次会合始まる
2012/11/13
2012年11月12日~19日まで、モロッコでICCAT(大西洋マグロ類保存委員会)の年次会合が開かれています。今回の争点は、クロマグロ回復計画に基づく総漁獲量の再設定と割り当て、そして透明性のある流通になります。WWFは、「漁獲量の現状レベルを維持」する必要性を示したICCAT科学委員会のアドバイスに従った決定を、ICCAT加盟国に対して求めています。
回復傾向が見られるも…
2012年10月のICCAT科学委員会では、東部大西洋および地中海のクロマグロ資源の回復傾向が確認されました。
しかし注意が必要なのは、「資源が枯渇状態から増加傾向に転じた」とはいうものの、「不確実性も残る」とされている点です。
そのため、科学委員会では、「漁獲量は現状レベルを維持」することをアドバイスしています。WWFも、このアドバイスに従った決定をICCATに求めています。
また、管理と同様、大事な争点の一つが「クロマグロの貿易取引きの透明性」です。
この会合に先立ち、WWFが主要国の貿易統計を調査したところ、2000年から2010年までに、ICCATの年次会合に報告したことが確認できないクロマグロが、最大で1万4327トンあることがわかりました。
これは、原魚換算すると1万8704トンになると考えられています。
どれほどしっかりした管理措置を導入しても、違法であったり無報告に取引をされたマグロがあっては、せっかくの努力を台無しにしてしまいかねません。
WWFでは、ICCATに対し、このような事態がどうして起こったのか、関係国を中心にしっかり調査するよう求めています。
日本の食卓に欠かせないマグロ、だからこそ、責任ある流通と消費を心がけて、数年後には確実に「持続可能なクロマグロ」を享受できるよう、ICCATの管理の成功に貢献しなくてはなりません。
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