現実の猛暑や洪水がどの程度地球温暖化と関連している?7年ぶりにIPCC新報告書発表!
2021/08/11
こんにちは。気候変動エネルギー担当の小西です。
地球温暖化に関する国連の科学の報告書IPCCが、7年ぶりに2021年8月9日に、新報告書「第6次評価報告書」の第1弾を発表しました。前回の報告書(2013~2014年発表)で示された科学的知見は、世界全体が参加する温暖化対策「パリ協定」の合意(2015年)に大きく貢献しました。今回も年末にイギリスで開催されるCOP26会議に向けて、その新知見が注目されます。
私は2007年からずっと報告書が発表されるIPCC総会にオブザーバー参加しているのですが、今回最も注目したのは、イベントアトリビューションと言われる研究の知見です。これは現実に起きている熱波や激しい降水がどの程度温暖化によってかさ上げされたかを科学的に示されるものなんです。
地球温暖化などのグローバル問題と言っても、関心ない人も少なくないですよね?しかし誰もが関心があるのは、ご自分に関わること。熱中症のリスクが高い猛暑に見舞われたり、お住まいの近くで大洪水が発生するかは、どんな方でも深刻にとらえると思います。
新しい科学では、今発生している極端現象が、もし温暖化が起きていなかったらどうだったのか、教えてくれるんです。そして今後の気温上昇の幅によって、そういった現象がどの程度深刻化していくのか。それらの予測は誰にとっても重要な知見で、知っているか知らないかで、生死を分けると言っても過言ではないと思います。
今後の気温上昇はもはや避けられませんが、それを産業革命前に比べて1.5度までに抑えることが出来れば、3度や4度上がってしまう場合に比べてどの程度影響が抑えられるかも示しています。
今や世界の主要国やグローバル企業は、この1.5度目標を目指すことが主流となっています。そのために必要なことは2030年には排出量をほぼ半減し、2050年には排出をネットゼロにすること。
11月にイギリスで開催されるCOP26会議に向けて、各国に2030年目標の引き上げと対策の強化が求められています。それを我が事として捉えて、みんなで向かっていくことを願っています!
この報告書の概要はぜひ下記をご覧ください。