パリ協定COP26会議、来年2021年に延期
2020/04/02
地球温暖化の国際条約、パリ協定の国連会議COP26グラスゴー(イギリス)会議が、2021年に延期されるとの発表が、イギリス政府と国連気候変動枠組み条約国事務局(UNFCCC)から、本日(2020年4月1日現地時間)に発表されました。
COP26会議は、2020年から始まったパリ協定の実施を議論する国連会議で、2020年の11月9日から20日に予定されていました。2021年に延期されることになったCOP26は、イタリアとの協同のもと、引き続きイギリスグラスゴーで開催され、締約国との相談で新たな日程を決めるとのことです。
「COVID-19の世界的な感染を受けて、野心的で包括的なCOP26の2020年開催はもはや不可能となった。日程延期によってすべての国がこの重要な会議により集中し、必要な準備をとることが可能となる」とこの発表は締めくくられています。
確かにこの世界的なCOVID-19の蔓延の状況下では、延期は当然で、今の私たちの最優先事項は命を救い、健康を守ることです。と同時に、気候危機に対処することもグローバルな優先事項であることに変わりありません。
今回のCOP26会議は、パリ協定の実施が始まる時に、いまだ足りない各国の削減目標をいかに引き上げるかが問われている節目の重要な時です。パリ協定に提出されている各国の目標は足し合わせても世界の平均気温を3度もあげてしまうと予測されています。平均気温が1度上がった現在でも大洪水や酷暑がより頻繁に発生するようになっている中、パリ協定の目標である2度未満、可能な限り1.5度に抑えるためにはすべての国のより一層の削減努力が必要です。
全力でCOVID-19に全世界で立ち向かい、より強靭な社会に向かっていく中で、同時により低炭素な社会への歩みを着実に進めていく必要があります。脱炭素経済へ向かう道筋には、デジタルのインフラ構築、断熱とエネルギー効率向上、持続可能な公共交通機関、都市での太陽光発電の導入、生態系の回復など、社会を強靭化する多くの機会が含まれます。
パリ協定の目標を据え置いたまま再提出した日本ですが、COP26の延期を受けて日本も今一度検討し直すべきです。