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パリ協定COP26会議、来年2021年に延期


地球温暖化の国際条約、パリ協定の国連会議COP26グラスゴー(イギリス)会議が、2021年に延期されるとの発表が、イギリス政府と国連気候変動枠組み条約国事務局(UNFCCC)から、本日(2020年4月1日現地時間)に発表されました。

COP26会議は、2020年から始まったパリ協定の実施を議論する国連会議で、2020年の11月9日から20日に予定されていました。2021年に延期されることになったCOP26は、イタリアとの協同のもと、引き続きイギリスグラスゴーで開催され、締約国との相談で新たな日程を決めるとのことです。

「COVID-19の世界的な感染を受けて、野心的で包括的なCOP26の2020年開催はもはや不可能となった。日程延期によってすべての国がこの重要な会議により集中し、必要な準備をとることが可能となる」とこの発表は締めくくられています。

2019年末開催時のCOP25マドリード会場外観
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2019年末開催時のCOP25マドリード会場外観

確かにこの世界的なCOVID-19の蔓延の状況下では、延期は当然で、今の私たちの最優先事項は命を救い、健康を守ることです。と同時に、気候危機に対処することもグローバルな優先事項であることに変わりありません。

今回のCOP26会議は、パリ協定の実施が始まる時に、いまだ足りない各国の削減目標をいかに引き上げるかが問われている節目の重要な時です。パリ協定に提出されている各国の目標は足し合わせても世界の平均気温を3度もあげてしまうと予測されています。平均気温が1度上がった現在でも大洪水や酷暑がより頻繁に発生するようになっている中、パリ協定の目標である2度未満、可能な限り1.5度に抑えるためにはすべての国のより一層の削減努力が必要です。

COP25会場で大人たちに温暖化対策を訴える世界の若者代表
©WWF Japan

COP25会場で大人たちに温暖化対策を訴える世界の若者代表

全力でCOVID-19に全世界で立ち向かい、より強靭な社会に向かっていく中で、同時により低炭素な社会への歩みを着実に進めていく必要があります。脱炭素経済へ向かう道筋には、デジタルのインフラ構築、断熱とエネルギー効率向上、持続可能な公共交通機関、都市での太陽光発電の導入、生態系の回復など、社会を強靭化する多くの機会が含まれます。

パリ協定の目標を据え置いたまま再提出した日本ですが、COP26の延期を受けて日本も今一度検討し直すべきです。

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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