国連気候変動ボン会議終了!COP18・COP/MOP8へ向けて


ドイツ、ボンでの国連気候変動会議より、温暖化・エネルギー担当の山岸です。14日から開催されていた、この国連会議が終了しました。

今回の会議は、5つの会議が同時並行で開催されました。その中で、一番注目が集まっていたのが、ダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)の第1回作業部会の会合です。

なぜならここが、将来の温暖化防止に向けた、国際枠組みが議論されるメインの場だからです。

ここで、「2015年までに、2020年から効力を持つ、新しい国際枠組みを合意する」というのが昨年のCOP17・COP/MOP7の決定でした。

しかし、前回のブログでも言及したように、今回はいきなり議長の選出・議題案の2つで議論が紛糾し、結局、その2つの決定だけで今回の会議のほとんどを費やしてしまいました。

2週間の会議の成果がそれだけかというと、さすがにがっかりするところもありますが、これはある意味、これから始まる長い交渉に内在しているより根本的な対立点が、ちょっと表面化しただけとも言えます。

その根本的な対立点とは、何を「衡平」と考え、枠組条約にある「共通だが差異のある責任」原則をどのように考えるか、ということについての考え方の違いです。

もう1つ大事なのは、今回、議題が採択されたことで、今後、世界全体として、どのように削減目標・行動の引き上げをしていくのか、という問題の議論が始まることです。その中で、日本はどのような貢献ができるでしょうか?

今、日本国内でエネルギー政策の見直しに合わせて行なわれている気候変動(温暖化対策)目標の議論をみると、かなり不安になります。

国内での議論は、国際的な気候変動政策の議論の流れも十分に踏まえてされるべきです。COP18・COP/MOP8へ向け、国内での動きにも注目です。

 

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ADPでの合意が成立!みんなが拍手

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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環境保全団体です。

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