ドーハCOP18にて 日本が2度目の化石賞
2012/12/07
カタールのドーハより、温暖化担当の小西です。
12月4日の午後から閣僚級会合が始まりました。ドーハに到着した各国の大臣は、3分という制限時間を超えて、自国の温暖化対策を訴える演説を続けています。午後にはいよいよ、日本の長浜博行環境大臣の順番がめぐってきました。
気候変動問題に取り組む700以上のNGOがつくるCAN(気候行動ネットワーク)インターナショナルは、この日の朝発行したニュースレターに、長浜大臣への期待をあらわす記事を掲載しました。しかし、その期待は失望に変わり、日本は世界のNGOから2度目の「化石賞」を受けることになりました。
理由は3つあります。
まず、「東日本大震災にもかかわらず、日本国民は気候変動問題に取り組む意欲を失っていない」と述べながら、2020年までに1990年比で25%減という自主的な削減目標について全く触れず、2020年目標について言及すらしなかったこと。
次に、産業革命前に比べて2度未満に抑えるため、現時点では大幅に足りない世界全体の削減目標をいかに引き上げていけるか、という今回の交渉の一番の焦点に触れなかったこと。
そして、「途上国への資金支援を来年以降も切れ目なく行なっていく」としながらも、COP18の合意に不可欠な資金問題に関して、具体的な拠出金額に明言しなかったこと。
つまり、長浜大臣の演説には、COP18の成否を左右する「削減目標・温暖化対策の緊急性・資金」という最も大切な3つの問題に関する具体的な発言がなく、失望が広がったのです。世界の環境NGOは、この「3つのノー」に「ノー」を突きつけ、化石賞2位を与えました。
それは、温暖化を防ぐための合意形成に貢献するため、日本に姿勢を変えてほしい、という世界からのメッセージでもあります。交渉は目下、最終日の合意をめざし、日をまたいで続けられています。COP18も残りわずかです!