数万人が参加するはずだったパリCOP21のマーチ


フランスのパリより、温暖化担当の小西です。

いよいよ始まる国連の気候変動会議「COP21」を目前に、世界40か国から集まった100人の専門スタッフと、真剣な討議を重ねています。

こういった会議は毎年のCOP前の風景なのですが、今回は、歴史的な変換点となるであろうCOP21とあって、緊張が走っています。

そんな中、ホスト国フランスのWWFスタッフたちから、私たち全員へ歓迎プレゼントがありました。

パンダのロゴをあしらったTシャツとメモリースティック、ブレスレット、ノート、そして黒いベレー帽。さすがパリらしいオシャレなものばかりです。

これは本来、29日にパリで開催が予定されていた、COP21の成功を願う数万人規模のマーチのためのもので、1年がかりで続けてきた準備の一部でした。

世界中からきたWWFのスタッフたちがこれを着て歩いていたら、世界の思いを託したマーチに、きっと彩を添えることができたでしょう。

全スタッフの会議と、WWFフランスが用意した赤いTシャツ。こうしたイベントの準備は本当に大変なのです...

残念ながら、テロの脅威があるということで、中止になしまったこのパリのマーチ。

フランスの仲間たちは、大変な思いをしながら、マーチを盛り上げるべくこんなに準備してくれていたんだな、と苦労がしのばれて、切なくなりました。

おりしも日本では、28日に若い人たちも参加して、温暖化を防ぎ、COP21の成功を求める同じ願いをこめたパレードが、東京でも行なわれて盛り上がったとのこと。

また各国のいくつかの町でも、同様のイベントが行なわれているそうです。

パリのマーチはなくなりました。でも、世界中の市民たちは温暖化による脅威のない未来を求めて、それぞれの故郷で、熱く動いています。

いよいよあすから始まるCOP21、そんな多くの人たちの思いを背負って、私たちも頑張ります!

28日に行なわれた東京でのパレード。1000人が参加し、日比谷から銀座を歩きました。29日には京都でも行なわれます!

関連情報

関連動画「3分でわかる!COP21」

COP21では、どんなことが注目されているの? という方は、ぜひこちらの動画をご覧ください!

この記事をシェアする

専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP