COP21、各国の削減目標を比べるとどうなる?
2015/10/30
温暖化担当の小西です。
フランス、パリでの国連気候変動会議「COP21」が近づいてきました。
その大きな焦点は、2020年以降の温暖化対策の枠組みの中で、各国が掲げる温室効果ガス(CO2など)の「削減目標」です。
すでに、世界の排出量の87%を占める150か国が目標案を国連に提出。
温暖化対策を行なう意志を表明しています。
これはCOP21の成功に向けていいサインです!
しかし、残念ながら今各国が提出している削減目標案は、すべて足し合わせても世界の平均気温の上昇を「2度未満(産業革命前に比べ)」に抑えるには足りません。
「2度未満」は、温暖化が深刻な影響を引き起こすかどうかの目安とされるラインで、国際社会でもその達成が目標とされています。
本当は、過去から大量に排出してきた先進国ほど2度未満に向けて多く削減し、近年排出を増加させている新興国も頑張るべきですが、各国とも、なかなか政治情勢が許しません。
さらに対策に必要な資金や技術の有無、削減コストも国によって違うため、何が「公平な削減」か、という難しい課題があります。
しかし、世界にはその公平性を研究している機関がちゃんとあって、さまざまな課題を考慮した指標を使い、主な国の削減目標案を評価しています。
このClimate Action Trackerという機関が出した報告によれば、欧州(EU)やアメリカの目標案は、「中程度」の評価。中国、インド、ブラジルなども、同レベルの評価でした。
それに対し、日本が得た評価は著しく「不十分」というもの。
理由は、省エネルギーと再生可能エネルギーの普及に対する姿勢が十分でないこと。そして、CO2排出量の多い石炭にいまだ傾倒していることなどです。
パリでのCOP21は、世界が低炭素社会へ向かうルールを作る場でもあります。
その中で、日本が誇る高い技術を活かし、世界に貢献しながら繁栄していくには、どの方向を目指すべきなのか。
今、将来を見据えた方向性が問われているのではないかと思います。
パリの交渉に注目です!