日本の温暖化にどう「適応」する!?国が進める適応計画
2015/11/11
温暖化担当の小西です。
フランス、パリでの国連気候変動会議「COP21」が近づく中、環境省が「気候変動の影響への適応計画」の策定を進めているのをご存知でしょうか?
「適応」とは、すでに生じている地球温暖化の影響や、これからさらに深刻化していく影響に、どう対応していくか、という具体的な施策のことです。
温暖化そのものを抑える二酸化炭素(CO2)の排出削減や省エネの推進といった取り組みとは、また異なった対策です。
先日、この日本の適応計画(案)が発表され、これに対する意見募集(パブリックコメント)が行なわれたため、全部で85ページ(!)の文書を、熟読しました。
適応はまだ研究途上のため、全体的に「研究報告書」のような感もありますが、それでも、これまで各省庁がばらばらに出していた適応にかかわるさまざまな防災計画などが、今回環境省のもとで一本化されたことは大きな前進です。
案の冒頭でも触れられていますが、各国や国内での異常気象、たとえば暑熱や豪雨、感染症などが、今後気候変動の進行によって増加する可能性が高いことに十分留意し、国がその「適応」の必要性を認めている点は、今後の日本の温暖化対策を促進してゆく上で、重要なことです。
特に、適応は、実施主体として自治体の役割が非常に大きくなります。
イギリスなどはすでに2013年に国としての適応プログラムを出しており、組織や個人がリスクに対処することを進めています。
ですので、今回の国から発表される「気候変動への影響の適応計画」は、日本においても自治体や個人が、今後どのように適応を含めた防災などの計画を立てていけばよいのか、ガイダンスとして非常に役に立つと思います。
WWFも「ぜひ広く自治体や国民に知らしめてほしい。自治体に対し適応計画をたてるよう強く促してほしい」と意見を出しました。
皆さんもぜひ、温暖化の適応についても目を向けてみてくださいね!