ボルネオのオランウータンの森から
2016/03/30
日本の皆さん、こんにちは!
WWFマレーシアで、森林再生プロジェクトを担当しているフレディナンドです。
ボルネオ島は北ウルセガマで私たちが取り組んできた、森林再生プロジェクトの一部が完了しました。
この取り組みは、2009年から伊藤忠グループのご支援を受け、WWFジャパンを通して行なわれてきた日本からのご支援により継続されてきたものです。
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ボルネオオランウータン
2016年1月に植林が完了した面積は972.25ヘクタール(※当初の契約面積は967ヘクタール)。7年あまりの間に植えた木々も大きく育ち、森も拡大してきました。
そして、野生動物たちがその自然を利用している姿も確認できています。
中でも特に保全を目指してきたのが、絶滅が心配されるボルネオオランウータンです。
ボルネオオランウータンは、採食にも、毎日の寝床(ネスト)作りにも、移動にも、豊かな森が欠かせません。
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数年間で再生を始めた森。緑の多さが明らかに変わってきます
このため、北ウルセガマでの森林環境の劣化の影響は深刻でした。
そこで、森林再生活動をスタートしたのですが、相手にするのは、どう変化するか分からない予測不可能なボルネオの熱帯性の気候と、生きている野生の動物たち。
一筋縄では行かないことも多く、毎日が試行錯誤の連続でした。
しかし、その苦労以上に、森が少しずつよみがえり、動物たちの暮らしぶりが変化するといった前向きな成果を、現地で目で見て肌で感じた時には、大きなやりがいを感じます。
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折れてしまった苗木。サンバー(シカの一種)が倒したらしい
成長を見守ってきた苗木が大きく育ち、その樹上でオランウータンがゆったりとくつろいでいるのを見た時の喜びは、本当に言葉では言い表せません!
この活動をご支援いただいた日本の皆さま、本当にありがとうございました。
これからも引き続き、ボルネオ島の森林保全にご関心を持っていただけたら嬉しいです。
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植林地の樹上で確認したオランウータン