【動画あり】温暖化に左右されたロシアのユキヒョウ調査
2020/07/06
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
森林グループの天野です。
WWFロシアから、2020年2月~5月にロシアのアルタイ・サヤン山脈で実施した年1回のユキヒョウ調査の結果が届きました。
今回の調査でロシアには51頭のユキヒョウが確認されました。
2019年は65頭だったので・・・減少しています。
ただし、これは直接確認ができた数字。
ここから推定されるロシアのユキヒョウは、70~90頭で、これまでの数と変わりません。
では、なぜ今回数字が減ったのか。それには地球温暖化が関係しています。
実は、今年は例年よりも狭い範囲で調査せざるを得なくなりました。
通常、冬の調査では、厚く凍った川を自動車で渡り、人里から遠く離れた調査地へ向かいます。しかし今年はなんと、こうした川の一つであるアルグト川が凍らず、渡ることができませんでした。
更に、大事な生息情報である、雪上に残るユキヒョウの足跡などの痕跡も、雪ならぬ雨が降ったことで洗い流されてしまい、調査は例年にはない異常気象に悩まされることになったのです。
推定個体数が変わらないとはいえ、このようにユキヒョウの生息域で地球温暖化の影響が見えてくると不安が募るばかりです。
特に、南極や北極、高山帯のような環境に生きる生物は、今よりも寒い地への逃げることができません。
【動画】2019年に自動撮影カメラでとらえたユキヒョウの姿
今や「気候危機」とも呼ばれるようになった地球温暖化問題。
あまりにも大きなスケールの話なので、ぴんと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、遠く離れたユキヒョウのすむ山のような場所も、その影響を確かに受けています。
WWFでは今、そんな気候危機の影響と、その先の未来を考えるキャンペーンを実施しています。
是非、ご覧いただき、足元から地球規模の問題に取り組んでみませんか?