COP25チリ・マドリード会議 世界はグレタをはじめとする若者に応えたか?
2019/12/19
スウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが世界中で話題になる中、スペイン・マドリードにて開催されていた国連の温暖化防止会議(COP25)が、12月15日に2週間の会期を2日間も延長して、閉幕しました。
これは、平均気温の上昇を産業革命前に比べて2度未満(できれば1.5度)に抑えるという長期目標を持つ「パリ協定」が2020年から本格的に始まるのを前に開かれたものです。
ハイライトは、積み残されたパリ協定のルールに合意すること、そして各国が提出した温室効果ガスの削減目標を引き上げる機運が強く打ち出せるかでした。
COP25には今や時の人となったグレタさんをはじめとした世界の若者たちも参加し、大人たちに対策の強化を訴えました。
徹夜の2日間延長の末、COP25はギリギリのところで、各国に対して対策強化のメッセージを打ち出すことができましたが、それは決して、湧き上がる若者たちの叫びに充分に応えたものとはいえません。
同時に、パリ協定の残されたルールの中でも最も注目された市場メカニズム(2カ国以上の国が協力して温室効果ガス排出量の削減を行ない、その削減分を国際的に取引する仕組み)は合意ならず、次のCOPへと先送りされました。
そう聞くとCOP25は失敗だったように見えますが、実はこのルールについては先送りはむしろ賢明であった面もあります。
というのは、この交渉は「京都議定書時代に削減した分をパリ協定で使えるようにしたい」などといった抜け穴作りの交渉だったからです。グレタさんは「気候危機に立ち向かうよりも、大人たちはこのCOP25で抜け穴作りに熱心だ」とまさに本質をついた糾弾をしていました。
本来COP25は、かなり技術的な会議だったので、通常は日本もメディアはあまり取り上げないのですが、今回は注目の小泉進次郎環境大臣が参加したため、日本でも大きく取り上げられました。日本の石炭火力推進姿勢が強く非難され、化石賞を受賞したことなども、いつもよりも話題になりました。
なぜ石炭が非難の対象になるのか?そしてグレタさんや世界の若者はどんなことをしたの?そう思ったあなた、ぜひ現地に赴いた私たちが書いたCOP25報告をご覧ください!