「自分は社会のために何ができるのだろうか、、、。」C&M室普及教育担当インタビュー(後編)


WWFってパンダマークの動物を保護している団体?
いえいえ、もっといろいろやっています。知っているようで知らないWWFのこと。WWFスタッフが語る、仕事のこと、働いている人たちのこと、これからのこと・・・。
なかなかお伝えできていないお話しを、WWFジャパンスタッフへのインタビューという形式でお伝えいたします!

今回は、コミュニケーションズ&マーケティング室・普及啓発教育担当の松浦麻子です。(後編)

コミュニケーションズ&マーケティング室普及啓発教育担当松浦麻子
©WWFジャパン

コミュニケーションズ&マーケティング室 普及啓発教育担当
松浦麻子

民間企業→科学館から流れてきた猫&ペンギン好きのコミュニケーター。未来を創る次世代を育てることを使命と思い込んで走り続けるため、ワークダイソンとも呼ばれております。。五感を刺激する楽しい教育プログラムを作ってみなさまにお届けします!

東日本大震災をきっかけに

——そんな松浦さんがWWFに入局されるまでの経緯を教えてください。

小学生のころから理科が大好きだった、いわゆる理系女子、です。大学、大学院時代は研究者を目指していました。大学院修了後、5年半はとあるシンクタンクで原子力安全に関わる仕事をしていました。

その最中に東日本大震災 が起きました。それをきっかけに多くのことを考え、悩みました。自分は社会のために何ができるのだろうか、と考えるようになりました。

——その影響でシンクタンクから日本科学未来館に転職をされたのでしょうか?

はい。科学技術のことや、その科学技術が社会にもたらすことを良い面も悪い面もちゃんと伝えて、その上で、みんなが科学技術についてロジカルに考えられるようになる。

そんな仕事がしたいと思い、未来館に転職して、科学コミュニケーターという科学技術と社会をつなぐ仕事を3年間していました。

子供向けの実験教室やワークショップ、企業と連携したコンテンツの開発と普及など、さまざまな仕事に関わらせてもらえて楽しかったですね。

——WWFへ転職されたきっかけはなんだったのでしょう?

未来館で働いている間に、いろんな物事を多面的に捉えながら考えられる人を育てる仕事をしていきたいと思うようになって。

そういう仕事ができる場所はないかと探していたら、今のポジションの応募がポンッと目に入ったんです。締切間近だったので、慌てて応募しました。

それから面接に呼んでいただいて。
「グローバルな活動に興味はありますか?」と質問されました。それまで海外旅行に行きたいとあまり思ったことがなく実際行ったこともほとんどありませんでしたし、教育も日本の子どもたちに、って考えていました。おそらく、ですが、面接の中でそんな私の姿が見受けられたのだと思います。

でも、持続可能な社会を今後作っていく上で、確実に地球全体の規模で物事を考えられる人を増やすことの必要性を未来館に勤めながら強く感じていましたし、だからこそ、自分は多くの人たちが広い視野で学べる場を提供していく人になれたらと思っていたので、そういう意味ではグローバルに興味があったと言えるかもしれません。

——それで、WWFに入られたのですね!

——東日本大震災をきっかけに、松浦さんが決断したこと。その勇気というか、使命感のような強い思いが胸に響きました。物事をロジカルに考えることは、簡単ではないけれど、多くの人たちにとって、とても大切なことのように感じます。

やりがいのある仕事を見つけた

——松浦さんはWWFのコミュニケーターとして、さまざまな場所でWWFの活動やご自身について話す仕事もされていますよね。

そうですね。話す仕事のご依頼は、中高校生向けか、大人向けを対象にしたものが多いです。

どういう経緯で私がこの仕事をしていて、WWFはどのようなことを目指していて、一般の人が環境保全のために何かをするとしたらどんなことがありますか?というような話をしてくださいとのご依頼が多いですね。

学生の方たちにお話しをすると、WWFで働くには何を勉強したらいいですか?と聞かれますが、例えば高校生なら、とりあえず英語は勉強しておいてね、と伝えます。

——やっぱり英語なんですね。

海外のスタッフとコミュニケーションを取るための大事なツールですからね。
あとは、自然と人の生活のつながりを意識しながら、いろいろなことに興味を持ってください、ということはお話しします。
環境保全活動は、自然のことだけでなく、社会の仕組みや経済など、さまざまなことが有機的につながって成り立っています。どんなつながりがあるのか、を意識して勉強するだけでも全然違うと思います。

——松浦さんはそうやって勉強されてきたんですね。

いやいやいや!(笑)自分を振り返ると、足りていなかった、と思うことばかりです。
学生の頃、目指していたものにはなっていませんし。とはいえ、自分が周囲に育ててもらいながら得たものを、これから社会に出る人たち、もしくは社会に出て悩んでいる人たちに少しでもシェアしていきたいなと。

——将来のキャリアプランとかあるのでしょうか。

そうですね。遠回りしたけれどたどり着いた今のこの仕事は、ずっとやっていきたいと思っています。
今はこれが自分の使命だと思っているので、思い込んでこのまま走り続けようと思っています。

——ざっくばらんに自身のこと、仕事に対する想いを教えてくれた松浦さん。お話を聴きながら、松浦さんの明るさや聡明さに多くの人が惹かれるのではないかなと感じました。松浦さんの今後の活動を楽しみにしています。



(取材・文:島田零子)

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C&M室
松浦 麻子

普及啓発教育担当。

科学館から流れてきたコミュニケーター。未来を創る次世代を育てることを使命と思い、全国津々浦々で次世代たちと向き合っています。Communicationの語源は「共有する」、Educationの語源は「引き出す」という意味だったと聞きます。科学、アート、音楽など好奇心の赴くままに満たしてきた自身をまるっと共有、次世代たちの「社会を見る」力と「未来を創る」力を引き出すことを目指しています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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