気候非常事態宣言に基づいた具体的な対策強化を!
2020/11/02
WWFジャパンは、国会が気候非常事態宣言を採択することを支持すると共に、その危機認識に適切に応えるように、政府が今後、2030年目標や具体的政策を強化していくことを強く求める。
10月28日、超党派の議員連盟が、国会での決議を目指して気候非常事態宣言案を示した。10月26日に菅総理が所信表明演説にて、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と宣言したことに続き、国会においてもこうした気候危機に対する認識を明確に示す宣言が採択されることは、日本の対策を前に進める一歩として、WWFジャパンは支持する。
ただし、菅総理の「ゼロ」目標も、この気候非常事態宣言も、そこで止まってしまっては意味がない。発表された気候非常事態宣言案においても、世界および日本で近年激甚化している気象災害に触れる一方で、「各国が掲げている目標を達成しても必要な削減量には大きく不足」との認識を示している。この極めて重要な認識に立つならば、国会および政府は、当然、日本がリーダーシップを国際社会の中で発揮していくために、自国の対策強化の検討をすることが責務となる。
さらに、菅総理の発表以降、韓国においても、2050年までにゼロを目指す宣言が出された。これで、東アジアの日中韓の経済・排出大国が揃って「ゼロ」を目指す体制が整ったことになる。今後は、実際にそれをどう実現していくかにおいて、東アジアおよび世界においてリーダーシップ獲得競争が始まる。
WWFジャパンは、菅総理のゼロ目標発表時に下記を指摘したが、ここで改めて強調しつつ、気候非常事態宣言の早期採択とそれに基づいた具体的行動を日本政府に求める。
1. 2030年の排出削減目標を45%以上に引き上げ、新たなNDCとしてパリ協定に提出すること
2. 2050年排出ゼロ目標を具体化する策として、2030年エネルギーミックスの改定に取り組むこと
3. 脱炭素化へ誘導する排出量取引制度などの有効な政策の導入と、地球温暖化対策の基本法の制定
4. 温暖化対策をコロナ禍からの経済復興策と明確に連動させること
参考
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