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電気を消して、地球を想うひと時を 「EARTH HOUR 2024(アースアワー)」実施報告

この記事のポイント
2024年3月23日(土)、WWFの主催する世界最大規模の環境アクション『EARTH HOUR(アースアワー)』が実施されました。EARTH HOURとは、現地時間の20時30分から1時間を消灯することで「地球温暖化を止めたい」「地球環境を守りたい」という意思表示をするイベントです。2024年は世界180以上の国と地域が参加。日本では東京タワーなどが消灯しました。また、日本では5年ぶりに都内でもイベントを実施し、多くの方々と共に地球のことを想うひと時を過ごしました。
目次

18年目を迎えた世界的なイベント

毎年3月下旬に、世界中の人々が、現地時間の20時30分から21時30分までの消灯アクションを通じて「地球温暖化を止めたい」「生物多様性を守りたい」という想いを示すイベント『EARTH HOUR(アースアワー)』。2007年にオーストラリアで始まった本イベントは徐々に規模を拡大し、18年目を迎えた2024年は、180以上の国と地域が参加して3月23日に実施されました。

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏、K-POPのスーパージュニアのメンバーであるチェ・シウォン氏、ハリウッド女優のケイト・ウォルシュ氏などの著名人もEARTH HOUR 2024を支持。フランス・パリに本拠地を置くプロサッカークラブのパリ・サンジェルマンFCや、国連環境計画(UNEP)といった団体・組織も参加しました。

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏のメッセージ動画

消灯リレーには、オペラハウス(シドニー)、北京国家体育場(中国)、台北101(台湾)、ビクトリア・ハーバーのスカイライン(香港)、ロンドン・アイ(イギリス)、コロッセオ(イタリア)、サン・ピエトロ大聖堂(バチカン市国)、ブランデンブルク門(ドイツ)、エッフェル塔(フランス)、エンパイア・ステート・ビルディング(アメリカ)などのランドマークが参加。

日本でも、東京スカイツリー®、東京タワー、東京駅、コスモクロック(横浜)、横浜ベイブリッジ、広島城、原爆ドーム、ほか、オフィスや店舗など、4,210カ所の施設やモニュメント、企業が消灯しました。自治体でも、いばらき県央地域連携中枢都市圏(水戸市、笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村)や横浜市が地域の企業・市民に参加を呼び掛けてくださったことに加え、広島平和記念公園では地元のNPO「Heart of Peaceひろしま」がイベントを実施。EARTH HOURの時間に合わせてキャンドルを灯し、地元のパンフルート合唱団の皆さんが平和と地球を想ってパンフルートの演奏とコーラスを披露するセレモニーを20:30にあわせて催してくださいました。

世界で最大の一時間を

昨今、環境問題は深刻さを増し、一人ひとりが気候変動や生物多様性保全に対して意識や理解を持ち、取り組む必要性が更に高まっています。EARTH HOURでは、2023年から、その象徴である消灯アクションに加えて、地球のために1時間を過ごすことを人々に呼びかけ、その時間をオンライン上でカウントする仕組み「Hour Bank(アワーバンク)」を実施しています。

Hour Bankは、地球を守るための行動の一環として、フィットネスやアートを楽しんだり、身近な自然に親しむなど、気軽に取り組めるアクションを中心に提案。一人でも多くの方が自分事として地球の危機に目を向け、環境についてアクションを起こすきっかけとなることを目的としています。

2023年のHour Bankには、世界の総計で41万時間を超える時間が登録されました。第二回目の実施にあたる今年は、前年の実績を大幅に超える1,562,715時間(2024年5月5日現在)が登録。この仕組みに今年初めて参加した日本でも、計7,326時間の登録がありました。

Earth Hour 2024 | Highlights from the Biggest Hour for Earth

東京でもイベントを開催

加えて、WWFジャパンは、TBSラジオと共に、東京・豊洲のショッピングモール「アーバンドック ららぽーと豊洲」にて3月23日にイベント「EARTH HOUR 2024~電気を消して、地球を想うひと時を~」を開催しました。

会場内のブースエリアには、EARTH HOURに賛同してくださった企業によるさまざまな出展があり、親子で楽しめるワークショップや環境問題に関する展示などが行われました。

EARTH HOUR 2024のインターナショナル・パートナーであるセイコーエプソン株式会社は、簡単にできる省エネ行動を世界各地で呼びかけ、Hour Bankでも紹介しました。イベントの自転車を漕いで発電した電力を使って灯されるランタン照明の展示は、来場者のフォトスポットとしても人気で、楽しみながら省エネについて考えるきっかけを作りました。また、ペーパークラフト体験コーナーではエプソンの製紙機で再生された紙を使いました。

日産自動車株式会社は、親子を対象に、トークや実験を通して地球温暖化や電気自動車の仕組みを楽しく学べる「日産わくわくエコスクール」を出展。教材のリーフモデルカーをコースに走らせるワークショップに子どもたちは目を輝かせて参加してくれました。また、同社ブース横には電気自動車「サクラ」も展示。ブースの電力をサクラより供給することでイベントの環境配慮にも貢献しました。

パナソニックホールディングス株式会社は、子どもたちを対象としたウミガメぬり絵コーナー、同社の取り組みである「KID WITNESS NEWS」において、過去に子どもたちが作成した生物多様性に関連する動画の上映、また、ぬり絵に参加した子どもたちによる「海の豊かさを守るメッセージ動画」の撮影を行いました。


デル・テクノロジーズ株式会社は同社の環境配慮に関するパネル展示やPC製品梱包材の展示を実施。子ども向けのアクティビティやクイズを実施しました。

西武造園株式会社では、物販のほか、手作りソーラーライト、マイクロプラスチック再利用のコースターづくりのワークショップを実施しました。

WWFジャパンでは、活動紹介パネル展やご寄付のご案内、物販のコーナーに加えて「コパンダのおつかいスゴロク」を実施。オリジナルのすごろくで遊ぶことを通じて、親子で楽しく「地球にやさしい、ちょうど良いお買い物」の仕方を学べるようにし、スタッフによるミニトークも実施しました。また、Hour Bankの登録も呼びかけ、参加してくださった方々を対象には御礼としてキリンホールディングス株式会社ご提供によるFSC®️認証紙パックの飲料も差し上げました。

当日のイベント運営は、ソニーグループ株式会社から社員ボランティアの参加もあり、イベントを盛り上げて頂きました。

TBSラジオによるライブ&トーク

ステージイベントエリアでは、TBSラジオの人気番組がトークや音楽LIVEを実施。EARTH HOUR 2024を盛り上げてくださいました。

二人組のアーティスト「吉田山田」によるオープニングライブの様子

二人組のアーティスト「吉田山田」によるオープニングライブ。アコースティック形式で盛り上げてくださいました。

「スナックSDGs」公開収録の様子。

「スナックSDGs」公開収録を実施。UPDATER社長の大石英司氏らのナビゲートのもと、Z世代のタレント村山千夏氏、セイコーエプソン株式会社サステナビリティ推進室部長 藤崎康二郎氏*、ソニーグループ株式会社サステナビリティ推進部CSRグループ、ゼネラルマネジャーの石野正大氏が登壇。環境問題についての取り組みや思いを語っていただきました。

* 所属は2024年3月23日時点

<アーカイブ音源はこちら>

「知ろう!EARTH HOURのこと」の様子。

「知ろう!EARTH HOURのこと」ではWWFジャパン顧問の前田智子氏と、WWFジャパン気候・エネルギーグループ長の児玉綾子がEARTH HOURの背景および意義をトーク。続いて「荻上チキ・Session」の公開収録が行われ、ココリコ田中直樹氏、朝日新聞編集委員・石井徹氏、前田智子氏および児玉綾子が登壇。荻上チキ氏と南部広美氏のナビゲートで、生物多様性・環境問題についてトークを展開しました。

<アーカイブ音源はこちら>

「こねくと」とのコラボステージでのパーソナリティの石山蓮華氏
「こねくと」とのコラボステージの様子。

「こねくと」とのコラボステージには、パーソナリティの石山蓮華氏、オーセンティックスカバンドThe SKAMOTTSが登壇!20:30からのスイッチオフに向けて会場を盛り上げるライブパフォーマンスを行ってくださいました。このステージにはWWFジャパン事務局長の東梅貞義も登壇し、ご挨拶をさせていただきました。

みんなでSwitch Off!

そして迎えた20:30には、会場内の一部ライト、ステージ正面のモニュメントのライトのSwitch Offを実施。

会場内の一部ライト、ステージ正面のモニュメントのライトのSwitch Offを実施

参加していただいた方々には、場内でキャンドルライトを灯していただき、The SKAMOTTSの音楽と合わせて、環境問題・生物多様性について考えていただく時間を演出しました。

この日は朝からあいにくの雨模様で気温も低く、肌寒い日の野外イベント開始となりましたが、夕方には雨も上がり、場内を訪れる方々も増加。ららぽーと豊洲にお買い物にいらした皆さんにも、気軽にお立ちよりいただける形で無事にイベントを終了することができました。

Earth Hour2024 アフタームービー

WWFインターナショナルのキルステン・スフエイト事務局長は、EARTH HOUR 2024について次のように語っています。

「地球の未来のために多くの人々が心をひとつにしました。この素晴らしい影響力に想いをはせています。しかし、世界中が真に連帯するためには、まだEARTH HOURに参加していない人々にもこの輪を広げていくことが大切です。地球を守ることは共通の責務であり、社会のあらゆる場所での行動が必要です。私たちは共に希望の光を灯し、持続可能な未来への道を照らそうとしています。このたびHour Bankを通じて地球に捧げられた140万時間は、いかに環境保護活動が身近で、楽しく、そして個人にとっても大切なものであるかを示しています。」

今回、オンライン、そしてオフラインで、WWFのEARTH HOUR 2024に参加をしてくださった皆さまに改めて御礼を申し上げます。

EARTH HOURは来年も実施されます。次回は2025年3月22日(土)午後8時30分(現地時間)です。引き続きのご参加とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

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