EARTH HOURの軌跡


EARTH HOUR (アースアワー)は、 青い地球の命のバトンを未来へ繋ぐために 世界規模で開催されるソーシャルグッドプロジェクトです。世界中の人びとが、 「美しい地球を残したい!」、「地球の環境を守りたい!」 という想いを胸に、同じ日・同じ時間帯に 電気を消して消灯のバトンを繋ぎます。過去には、エンパイアステートビル(アメリカ)、エッフェル塔(フランス)、オペ ラハウス(オーストラリア)、東京タワーなど、世界中の名だたるモニュメントも 時差により順々に消灯され、その波が地球を1周しました。2007年に、WWFオーストラリアによる地球温暖化防止キャンペーンの一環と して始まったEARTH HOURは、2017年には187の国と地域が参加する世界規模の環境キャンペーンに成長しました。

2004年 地球の気候に関する深刻なデータに直面したWWFオーストラリアのメンバーたちが、地球温暖化に立ち向かうための新たなアイデアを模索しはじめました。WWFオーストラリアは広告会社のレオバーネット・シドニー社と会い、オーストラリア全体が温暖化問題により関心を持つためのアイデアを話し合いました。
2005年 「不安ではなく希望、そして誰もが地球の未来へひとりひとりの役割を果たせる」というコンセプトに基づいて、キャンペーンが計画されていきました。そして、WWFオーストラリアとレオバーネット・シドニー社は、あるアイデアに大きな可能性を見いだし、追求しはじめました。そのプロジェクト名は、「The Big Flick. (巨大なスイッチOFF)」と名付けられました。
2006年 スイッチをOFFするという行為をよりシンプルに言い表したキャンペーンネームを、レオバーネット・シドニー社が開発。この瞬間、 EARTH HOURが誕生しました。"EARTH HOUR"という言葉によって、キャンペーンの意義がただ「電気を消す」というだけの行為から「毎日の継続性」へと広がっていきました。
WWFオーストラリアとレオバーネット・シドニー社はこの"EARTH HOUR"という考えをFairfax社へ持ち込み、イベントサポートの同意を得ました。さらに、シドニー市長のクロバー・ムーア議員からもサポートの同意を得ることに成功したのです。
アル・ゴア氏の「不都合な真実」が公開され、世界中の関心が地球温暖化問題へ向けられました。
地球温暖化が世界経済に及ぼす影響を論じた深刻なレポートが10月に公開されました。科学者ではなくエコノミストが先導したこのレポートには、温暖化の脅威を無視する代償について、世界各国の政府機関へのシビアな警告が書かれていました。
2007年
3月31日
19:30から20:30の1時間にわたって、ついにEARTH HOURが開催されました。220万人のシドニー市民と2100の企業が参加。オーストラリア中で大きな話題を呼びました。
国際政府機関のPanel on Climate Change (IPCC)がレポートを発表し、気温上昇の危険性、さらには早急な解決策の必要性を訴えました。
2007年
4月
シドニーでは、EARTH HOURをオーストラリアの国家イベントにする計画が着々と進んでいました。しかし3月に行なわれたEARTH HOURは国際的にもたくさんの注目を集め、世界中の都市が翌年のEARTH HOURへの参加表明を自発的にしはじめたのです。
2008年
3月29日
20:00から21:00に、世界35カ国371以上の都市がEARTH HOURを開催。正確な数は把握できませんでしたが、かなり控えめに見ても5,000万人の人々がこのイベントに参加しました。1億人が参加したという見方もあるほど、たくさんの人が地球の未来のために行動したのです。
2009年
3月28日
20:30から21:30にEARTH HOURを開催。88カ国、4000以上の都市・町に住む数億人の人々が1時間にわたって照明のスイッチをOFFにし、温暖化対策の行動を起こすことを宣言。その後行なわれる"VOTE EARTH"への大きなきっかけとなりました。
2010年
3月27日
残念ながら、コペンハーゲンでのCOP15では、国際社会は温室効果ガスの排出削減に向けた前向きな約束には合意できず、会議は不調に終わりました。
しかし、温暖化防止を求める人たちの思いは変わりません。その輪は、さらに大きなものになっていきます。2010年、この年も3月27日(土)の20:30から21:30の1時間にEARTH HOURが開催され、世界中の人たちがその意志を表明しました。
2011年
3月26日
前年の128カ国を上回る、135カ国、5,000あまりの町が参加しました。世界の中で日本では「EARTH HOUR」を特別に、3月11日に起きた東北関東大震災を受けて、温暖化の防止のみならず、被災地支援のための節電・省エネを、国内に広く呼びかけるイベントとして実施。世界各国のEARTH HOURイベントでも、日本の被災地に向けた祈りが捧げられました。
2012年
3月31日
この年のアースアワーは、150カ国以上、6500を超える都市や町で実施されました。日本では前年に続き、消灯というアクションとともに、被災地への祈りを捧げるイベントとして、このEARTH HOURを実施。今回初めて開設したFacebookページには、たくさんの方から、ご感想や、灯したロウソクの写真 をご投稿いただきました。
2013年
3月23日
150以上の国と地域から、7,000以上の都市と町に広がりました。ロシアのプーチン大統領が参加を表明してクレムリンや赤の広場が消灯したこと、サッカーのスター選手リオネル・メッシ氏が参加を呼びかけたことなどが大きな話題となりました。
日本でも、各地を代表するランドマークをはじめ、昨年に比べて150以上も多い382の事業所が参加しました。WWFジャパンでは、東京タワーの消灯とともにアーティスト集団「ミラーボーラーズ」とのコラボイベントを実施。例年にならい、冒頭の1分間には東日本大震災の被災地に向け、黙とうを捧げました。
2014年
3月29日

過去最多の162の国と地域から、7,000以上の都市と町が参加しました。例年、海外セレブが務めるEARTH HOUR親善大使には、スパイダーマンが任命され、「地球のためにスーパーヒーローになろう」とメッセージを投げかけました。日本では、同じ時期に「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)会合」が開催されたのを機に、ホスト都市である横浜市が初めて参加を表明し、温暖化防止のメッセージを世界に向けて発信しました。WWFジャパンもみなとみらい地区でイベントを開催、夜景の美しさで有名なこの一帯が、カウントダウンの合図で暗闇に包まれました。

2015年
3月28日

172の国と地域、7,200以上の都市と街が参加し、過去最大の広がりをみせた2015年のEARTH HOUR。3月末にWWFジャパンと横浜市は環境分野で連携協定を締結し、EARTH HOURは本協定の「温暖化対策の促進」分野におけるアクションの一つとして、横浜市でイベントが実施されました。EARTH HOUR親善大使には地元横浜から横浜F・マリノスが就任し、選手の皆さんのカウントダウンの声に合わせ、コスモクロックをはじめとするみなとみらい地区の夜景が一斉に消灯しました。

2016年
3月19日

開始から10年目を迎えた2016年は、178の国と地域が参加しました。WWFジャパンは「青い地球を、未来へつなぐ60分」をコンセプトに、漫画家のちばてつやさん、WWF顧問のさかなクン、JAXA宇宙飛行士の古川聡さん、横浜F・マリノス、書道家の武田双雲さん、ミスアースジャパン2011の前田智子さん、ロボットYumi®を「EARTH HOURサポーターズ」として迎えました。2015年12月にはフランスパリのCOP21で「パリ協定」が合意され、地球温暖化の解決にさらにはずみがつくことが期待されます。

2017年
3月25日
2017年は187の国と地域が参加、日本でも890の施設・企業・団体が参加しました。2017年のEARTH HOURは3月25日の当日のアクションだけではなく、新たに関連イベント「EARTH HOUR WEEKS」およびSNS企画「#旅する60パンダ」を新たに実施しました。
2018年
3月24日
2018年は188カ国、約17,900のモニュメントが参加し、消灯の輪が地球をぐるりと一周しました。日本では東京、横浜、広島をはじめ、各地でイベントが開催されました。東京では今回、初めて消灯に参加した東京スカイツリータウン®で、特設ステージを設けたイベントを開催。 EARTH HOUR 2018サポーターズによるトークイベントやアコースティックライブ、特別番組の公開収録などが行なわれました。
2019年
3月30日
2019年は、世界188の国と地域が参加し、消灯リレーが地球をぐるりと一周しました。日本では、東京、横浜、広島でWWFジャパン主催のイベントを開催したほか、日本全国1,443施設がEARTH HOURの消灯に参加し、過去最大規模での実施となりました。

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