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西ヒマラヤにおけるユキヒョウ保護 2023年活動報告

この記事のポイント
WWFジャパンは2021年から2025年までの5年間、ヒマラヤ西部のラダックで、WWFインドが取り組むユキヒョウの保全活動を支援しています。ラダックでは、ユキヒョウやオオカミなどが家畜を襲う問題が発生。その報復として駆除が行なわれるなど、地域住民と野生動物の「あつれき」が生じています。この問題を解決するため、2023年6月までの1年間に行なった活動について報告します。
目次

ユキヒョウという野生動物とその危機

中央アジアとヒマラヤの高山帯に生息するユキヒョウ。その分布域は、12カ国、280万平方キロにおよびます。

しかし、この広大な分布域に息づいているユキヒョウの個体数は、推定で2,710~3,386頭(2016年、成獣のみ)。また、その生息状況などが調査されているのは、全生息範囲のうちの2%ほどにすぎないと考えられています。

ユキヒョウは現在、絶滅の危機が心配されている野生動物の一種でもあります。
主な原因は、開発や放牧地の拡大などによる生息環境の減少・分断、家畜を襲う害獣としての駆除や、毛皮を狙った密猟、そして気候変動(地球温暖化)による生息環境の急激な変化などです。

こうした理由から、IUCN(国際自然保護連合)が公開している「レッドリスト」では、ユキヒョウは絶滅の危機が非常に高いとされる「EN:絶滅危惧種」に選定されています。

© J.Mima/WWF Japan

ユキヒョウがすむ西ヒマラヤの山々

西ヒマラヤで起きているユキヒョウをめぐる問題

野生のユキヒョウの減少を食くい止めるためには、気候変動対策のような国際的な取り組みはもちろん、生息域の各地域で起きている、さまざまな問題に対応していく必要があります。

それぞれの場所で、どのような問題が、どんな形で発生し、ユキヒョウがどう行動しているのか。また、問題の原因として何が考えられるのか。そうした点を明らかにし、地域の人たちとユキヒョウが共存できる道を探っていかねばなりません。

標高3,500~4,500mにもなる西ヒマラヤのラダックも、この「共存」に向け、問題に取り組んでいる地域の一つです。

ラダックでは、ヒツジやヤギなどの家畜を放牧して生業とする住民が多く、その毛を利用した毛織物などの生産が、重要な地場産業の一つとなっています。

しかし、家畜の増加や放牧地の拡大によって、アルガリやウリアル、バーラルといった野生の草食動物が採食地を奪われる問題が発生。これらの野生動物を獲物としていたユキヒョウが、家畜を襲う問題が起きるようになりました。

特に、優れた運動能力を持つユキヒョウが、家畜小屋の中にも侵入し、パニックになった家畜が一度に十数頭も死んでしまう被害も発生。オオカミやヒグマによる被害も多発しており、地域によっては、住民が野生動物に対し強い憎しみの感情を抱き、それが駆除などの報復につながるケースも生じています。

© J.Mima/WWF Japan

ラダック西部の山間地の集落。ここには以前、家畜小屋を狙うヒグマがやってきたといいます。

ヒマラヤ西部におけるユキヒョウ保護に向けたWWFの取り組み

こうした人と野生動物の間で生じる「あつれき」、すなわちHWC(Human-wildlife conflict)の問題に取り組みながら、ユキヒョウの保全を推進するため、WWFジャパンは2022年より、WWFインドが取り組むプロジェクトの支援をこのラダックの地で開始しました。

この取り組みの目標は、大きく次の4つに分けられます。

  • 地域の人たちと野生動物のあつれきを軽減し、共存を促進すること
  • 人と野生動物が共に恩恵を受けられるよう、放牧地を持続可能な手法で管理すること
  • 廃棄物・汚染を減らし、生息地の保全につながる、エコ・ツーリズムを促進すること
  • 保全を促進するための知見の収集と科学的調査を実施すること

そして、主にラダック東部のチャンタンと西部のカルギルを活動フィールドとして、2022年7月から2023年6月までの間に、次のような活動に取り組みました。

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人と野生動物のあつれき(HWC)に対する取り組み

【主な活動内容】

  • HWCの実情と程度・範囲を調査し、社会・経済的な要因を特定すること。また、野生生物に対する地域住民の認識と寛容さが、保全活動に与える影響を調べ、特定すること。
  • HWCの軽減施策を、実際に家畜被害などを受けている地域住民と協働で開発し、実施すること。
  • 音響機器を使った警報や、照明器具を使った野生動物の追い返し、太陽光発電を利用した電気柵の設置などの試行や普及に取り組み、家畜への被害を抑えること。
  • HWC軽減策の成果を評価するフレームワークを設計し、実際のフィールド調査を行なうこと。

【実際の取り組み】住民意識とHWCについての調査

チャンタン地方のハンレ周辺で、野生動物に対する地域住民の意識と、HWCの現状を把握するためのインタビュー調査を実施しました。ヒツジやヤギなどの家畜の放牧を手掛ける212人から回答を得ました。
調査の結果、次のような点が明らかになりました。

家畜への被害について:
過去1年間に死んだ家畜の死因の内訳

  • 801頭(32%)ユキヒョウやオオカミなどによる被害
  • HWCの軽減施策を、実際に家畜被害などを受けている地域住民と協働で開発し、実施すること。
  • 1,407頭(57%)病気、凍死、事故など
  • 269頭(11%)食肉のための利用

ユキヒョウやオオカミの被害にあった事例では、その68%が冬の夜間に生じていたことがわかりました。これらは主に、放牧地や村内の構造の悪い囲いや家畜小屋の中で発生したものでした。
また放牧地では昼間も被害が見られましたが、これらは監視する人と、放牧されている家畜の密度が低い場所で起きている傾向があることも報告されました。

野生動物に対する住民の認識について:

認識調査では、ユキヒョウと、ユキヒョウとの共存に対する住民の考えや態度や認識が明らかになりました。

質問:ユキヒョウは保護する必要があると思うか?

  • 必要がある:50%
  • 必要はない:32%
  • 無回答:18%

質問:人とユキヒョウは共存して暮らせると思うか?

  • はい:23%
  • いいえ:56%
  • 無回答:21%

質問:ユキヒョウの命は、家畜であるヤクの命と同じくらい価値があるか?

  • はい:31%
  • いいえ:50%
  • 無回答:19%

その一方で、チベット仏教を信仰する人の多いこのチャンタン地域では、宗教的な理由から、ユキヒョウが無事幸せに生きられることが大切だ、と回答する住民も多くいることがわかりました。

質問:ユキヒョウが無事に幸せに生きられることは、自分たちの宗教的な信念にも必要か?

  • はい:72%
  • いいえ:13%
  • 無回答:16%

© WWF Japan

チャンタン地方で放牧されているヤギとヒツジ。家畜は地域の人々の暮らしに欠かせない、大切な財産です

【実際の取り組み】HWCの緩和策をコミュニティと検討

ラダック西部のカルギル地方で、HWCを管理・緩和策を開発するため、地域のコミュニティと共同で検討を行なっています。これまでに、ヒグマなどによる家畜などへの被害を強く受けているコミュニティ関係者を含めた多様な利害関係者と、計8回の会議を実施。
また、カルギルの野生生物保護局や、ヒグマの保護に取り組む地域の団体とも対話を行ないました。
こうした連携の努力により、現状を包括的に理解し、さまざまな緩和策を計画し、実施することが可能になりました。またこの活動は、地域コミュニティとの強固な信頼関係を築く一助にもなりました。

【実際の取り組み】家畜への被害を防ぐツールの導入

ユキヒョウやオオカミ、ヒグマなどによる、夜間の家畜への被害を防ぐため、防除のための装備を調達。その効果の検証に取り組みました。
この活動では、チャンタンとカルギルの中でHWCが多く発生している地域の情報を基に、導入場所を選定。現場で活用するツールとして、次のような装備を導入しました。

  • ANIDERS(Animal Intrusion Detection and Repellent System):野生動物の侵入を検知し、音や光を使って撃退する自動システム。農地や家畜の囲い、家畜小屋などの周辺に配置する。
  • Fox lights:明滅する光を出す、肉食動物の接近を防ぐための発光器具。動きのある光を発することで、懐中電灯を持った人が歩きまわっているように見せる。
  • 懐中電灯:実際に人が使うもの。夜間の畑や家畜小屋の様子を見たり、警戒する際に使用する。

実際、これらを導入した地域では、過去に被害のあったユキヒョウ、オオカミ、ヒグマに対する効果が確認されています。
今後、導入前後の変化とその結果を分析し、より効果のある運用を目指した改善と調査に取り組みます。評価は運用開始より1年後にとりまとめる予定です。

【実際の取り組み】HWC対策を評価するためのフレームワーク

チャンタンで実施しているHWCの緩和策が有効に機能するか、これを評価するためのフレームワークを開発するため、HWCに関係する地域住民向けにトレーニングを実施。参加者には情報の取り扱いや記録のためのスキルと知識を身に着けてもらいました。この包括的なフレームワークの完成は、チャンタンでのHWCを減らし、ユキヒョウの保全への理解を継続的に促進・強化していく上で、重要な節目となるものです。

人と野生動物の共存に向けた持続可能な放牧地の管理

【主な活動内容】

  • ユキヒョウの生息地で暮らす人々の伝統的な知識、自然や資源利用の慣行等を文書化すること。
  • 持続可能な放牧地の利用を行なうため、地域コミュニティによるビジョンをつくるために、参加型のワークショップや協議を執り行なうこと。


【実際の取り組み】家畜についての現状調査

チャンタン地方のハンレで飼育されている家畜の数や、自然資源の利用の現状を把握するためのインタビュー調査を、212名の住民に対して実施。
主に放牧で生計を立て、ユキヒョウなどによる家畜被害を受けている、地域コミュニティの社会経済的な現状と、自然への依存度を理解しつつ、生きものに対する伝統的な知識を文書化する取り組みを行ないました。
これらの調査は、野生動物や牧草地、またそれらの保全や利用に対し、コミュニティの人々がどのように捉え、認識しているか、その考え方について理解する上で、重要な役割を果たしました。

ハンレで飼育されている家畜の数と内訳:

家畜に関する調査では、次のような飼育状況が明らかになりました。

  • ヒツジ:4,287頭
  • ヤギ(パシュミナヤギ):9,119頭
  • ヤク:261頭
  • ウマ:100頭
  • ウシ:328頭
  • イヌ(牧畜犬):122頭


【実際の取り組み】地域コミュニティとの協議

チャンタン地方のハンレとソカー(ツォカール) で、地域コミュニティのメンバーと一連の協議を行ない、住民が放牧地の持続可能な管理に取り組むためには何が必要なのか、そのフレームワークの検討を実施しました。
ハンレでは特に、域内の4つの集落で、こうした対話と学びのための包括的な協議が開催され、さまざまな年齢層の男女を含む多様な地域住民が参加。気候変動の影響を含む、地域が直面するさまざまな「問題」と、その「解決」の二軸について議論し、持続可能な放牧地の管理にあたり、地域の人たちが大事と考えるポイントを明らかにしていきました。
さらにこの協議では、地域の植物相や動物相に関する伝統的な知識も共有され、放牧地の生態系を理解するのに貢献しました。
ラダックでは今回、地域コミュニティによる持続可能な放牧地管理の手段とビジョンを2つの地域で確立しましたが、今後これを14カ所のコミュニティに広げ、協議を継続していきます。

© Yukari Ukai/WWF Japan

ソカーの人たちとの対話

ユキヒョウ生息地域の住民を含むステークホルダーの人材育成

【主な活動内容】

  • 地域コミュニティの中から、ユキヒョウの保全活動に参加する若い世代の住人を募り、「マウンテン・ガーディアン」を組織すること。また、そのメンバーのトレーニングを実施し、調査等への参加を準備すること。
  • フィールドでの科学的調査に、地域の人々が参加する機会を創造すること。
  • ユキヒョウをはじめ家畜を襲う肉食動物とどう共存していくか、そのための知識と意識を地域住民に高めてもらうための視聴覚ツールを開発すること。
  • 学生を含む一般市民への普及啓発活動に取り組むこと。


【実際の取り組み】「マウンテン・ガーディアン」の活動

「マウンテン・ガーディアン」のメンバーとして、チャンタン出身の6名、カルギル出身の3名の若者たちの参加を得て、HWCや、自然環境、野生生物についての知見を高め、活動に必要なスキルを身に着けてもらうための訓練を支援しました。このメンバーは、放牧地の持続可能な管理のための対話においても、WWFインドと地元のコミュニティの間の架け橋として活動します。

【実際の取り組み】市民参加による調査活動

「マウンテン・ガーディアン」の取り組みに連携した形で、若者世代にチャンタンで各種の調査スキルや、フォックスライトなどの扱い方を身に着けてもらうための協議を2回にわたり開催。カルギルではHWCに関する情報を集積するネットワーク・システムの設置にも取り組み始めています。
今後、野生動物調査で使うカメラトラップ(自動カメラ)や標識を使った野外での調査、さらにはHWCの監視活動にも参加してもらう予定です。
こうした市民科学を活用した取り組みは、地域のコミュニティの人々が自然保護活動に参加する機会を作る場としても、大事なステップとなるものです。

【実際の取り組み】地域向けの普及啓発用ツールの開発

放牧を生業とする地域の住民を対象とした、放牧地やその周辺の生態系や野生動物をテーマにした普及啓発用のツールの制作を検討。これを基に、ユキヒョウやオオカミなどの野生動物の習性や、こうした家畜に害をなす野生動物が、地域の生態系の中で重要な役割を担っていることを説明する短編のアニメーション映画を地域で話されている言語で制作することとしています。また、こうした普及啓発ツールでは、野生動物と共存していく上で、人が「やるべきこと」「やってはいけないこと」についても紹介します。

【実際の取り組み】一般向けの普及・発信活動

ユース世代の学生たちに対し、ユキヒョウ保護に関する認識を高めてもらうため、4つの普及啓発プログラムを実施。のべ1,500名の学生が参加しました。そのプログラムの一つとして、2022年の「世界ユキヒョウの日(10月23日)」には、一般向けのイベントを行ないました。
また、ラダックの中心都市レーの町にある3つの学校から、約550人の学生が参加し、レーとカルギルの2カ所で、地域の市民らと共に清掃活動を行ない、衛生管理の重要さについて学びました。
学校の教員を対象としたプログラムでは、環境の持続可能性と天然資源の保護・利用において個々人の行動がいかに重要かを伝える取り組みを実施。さらに、国際的な環境イベント「アースアワー」ではラダックの副知事を招き、気候変動とエネルギーの問題についても、広く普及を図りました。
この他にも、国際生物多様性デーや世界渡り鳥の日にも、地域の組織と協力しながら、イベント等の開催に取り組みました。

© WWF India

2023年の「世界ユキヒョウの日」に開催されたイベントで、保全活動に携わる地元のNPOメンバーの話を聞く大学生たち。

環境に配慮したツーリズムを確立するための地域支援

【主な活動内容】

  • 環境にやさしいホームステイやカフェの展開に向け、モデルとなる事例を確立するため、既存のホームステイやカフェを調査し、目標とのギャップを特定すること。
  • 環境に配慮したツーリズムを提供するため、ホームステイやエコカフェ事業者向けの研修を新たに準備し、実施すること。また、こうしたホームステイやカフェを利用した旅行客が、実際に自然に配慮した行動をとること。その行動の変化を評価すること。


【実際の取り組み】ホームステイの現状調査

生息地周辺の集落にあるカフェやホームステイは、これを利用する国内外の観光客に向け、地域の自然や野生動物についての正しい理解を広げていく、重要な発信の拠点になります。
そのため、WWFインドが過去3年間、ラダックのドラス、サンクー、ハンレ、コルゾク、スムド、ロング、タンツェの各地に普及や発信の拠点として設立したホームステイを対象に現状調査を実施。運営上の課題や不足点、能力開発の必要性を理解するための取り組みを行ないました。
調査では、ホームステイの所有者が次のような能力開発の支援を必要としていることがわかりました。

  1. 運営やマーケティングの支援
  2. 建物の外装などの改善のための支援
  3. 資金管理方法の支援
  4. 提供する料理の多様化に対する支援
  5. ツーリズムや各地の観光地が、どれくらい注目されているのか可視化することへの支援


【実際の取り組み】ホームステイのオーナーに向けた研修の実施

WWFではこれらの調査結果に基づき、ホームステイやカフェを手掛ける事業者向けの研修トレーニングも実施しました。
まず、運営と料理の多様化に対応するための調理と厨房管理の講師を招き、その協力のもと、研修モジュールの開発と実施に取り組みました。同様に、ホスピタリティ、マーケティング、財務管理についても、同様に研修を取り行ないました。
また、このほかにも、接客サービスのルールや在庫管理、価格設定、料理のレシピなどに関する研修も、模擬演習や実地活動も取り入れて行ないました。

© WWF Japan

地元の料理と笑顔でもてなしてくれる、ホームステイ先のご主人。大手の観光業者ではなく、こうした地域の人々による環境に配慮したツーリズムの実現を目指しています。

保全活動を推進するための科学的調査と知見の収集

【主な活動内容】

  • 肉食動物の個体数や生息密度を推定するためのカメラトラップ等を用いた調査計画の策定と実施
  • ユキヒョウなどの獲物となる野生の草食動物の調査計画の立案と実施。および家畜の飼育数の調査。


【実際の取り組み】調査計画の策定

現在までに、肉食動物やその獲物となる草食動物の調査手法を確立。今後、これを基に、地域のパートナー団体や、青年ボランティアらの参加・協力のもと、調査研究を進めていきます。また、そのための研修も予定しています。生息密度の調査対象となる野生動物は、ユキヒョウ、オオカミ、チベットスナギツネ、マヌルネコなどが候補となっています。
草食動物については、チベットノロバ(キャン)、アルガリ、バーラル、チルーなどを対象とした調査計画の概要をとりまとめました。この調査では、調査員2名のチームを各対象地域に派遣し、実際にフィールドを踏査する手法を取り、調査自体は次年度より開始する予定です。

© WWF Japan

チャンタン地方の活動フィールド。チベットノロバやチベットガゼル(写真)、マーモットなど、さまざまな野生動物が息づいています。野生のユキヒョウが生きていくためには、こうした多様な生物の存在が欠かせません。

世界中のユキヒョウ保全を目指して

WWFでは、この西ヒマラヤのラダックのほかにも、東ヒマラヤやブータン、モンゴル、中国など、各ユキヒョウの生息国のWWF事務局が、情報や知見を共有しながら、調査や保全活動を展開。いずれの生息地でも大きな課題となっている、HWCの解決を目指した取り組みを行なっています。

しかし、一部すでに取り組みの成果が認められているものの、全体で見れば、十分な調査が行なわれ、現状が把握できているエリアは、ユキヒョウの分布域の2%程度にとどまるともいわれています。

ユキヒョウを守っていくためには、現在の活動を充実させながら、より多くの地域で、さらなる取り組みを行なっていかねばなりません。

WWFジャパンも、その一翼を担うべく、西ヒマラヤでのプロジェクトを支援しつつ、世界各地のユキヒョウ保護について発信を行ない、保護の輪を広げていきます。

そして、現地での問題と同じく、ユキヒョウの未来にとって大きな脅威となっている気候変動(地球温暖化)問題についても、解決を目指した活動を継続していきます。

© Yukari Ukai / WWF Japan

WWFインドのフィールド・チームのメンバーと共に

WWFジャパンの「野生動物アドプト制度」について

WWFジャパンは、絶滅の危機にある野生動物と、その生息環境を保全する世界各地のプロジェクトを、日本の皆さまに個人スポンサー(里親)として継続的にご支援いただく「野生動物アドプト制度」を実施しています。
現在、支援対象となっているのは、アフリカ東部のアフリカゾウ、ヒマラヤ西部のユキヒョウ、南米アマゾンのジャガーの保護活動。今回ご報告した取り組みにも、ご参加いただいている皆さまより寄せられたご支援が活用されました。
この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
また、この活動の輪を広げていくため、ご関心をお持ちくださった方はぜひ、個人スポンサーとしてご支援に参加いただきますよう、お願いいたします。

野生動物アドプト制度について詳しくはこちら
https://www.wwf.or.jp/adopt/

【寄付のお願い】ユキヒョウの未来のために|野生動物アドプト制度 ユキヒョウ・スポンサーズ

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