マゼラン、フンボルト、ガラパゴス
2014/08/11
この3つの言葉ですぐに「ペンギン」を思い浮かべる方は、相当なペンギン通!
南米大陸の太平洋沿岸に生息するペンギンといえば、この3種、マゼランペンギン、フンボルトペンギン、そしてガラパゴスペンギンです。
まず、一番南にいるのが、マゼランペンギン。マゼラン海峡とフエゴ島を越えた大西洋側でも見られ、いま私たちのプロジェクトが行なわれているチリ南部の沿岸にも、広く分布しています。
そのすぐ北にいるのがフンボルトペンギン。マゼランペンギンと同様に、南から大陸沿岸を北流するフンボルト海流がもたらす海の恵みを受けて生きています。
ガラパゴスペンギンはその名の通り、世界遺産の島ガラパゴス諸島にだけ生きる、赤道直下の熱帯で見られる世界で唯一のペンギンで、過去には、海水温が異常に高くなる「エルニーニョ現象」の影響で、食物の魚が獲れず、大きく数を減らしました。
いずれも同属に分類される近縁種で、姿もよく似ており、共通の祖先から分化したことがよくわかります。
が、実はもう1種、親戚がいます。
大西洋のむこうがわ、アフリカ大陸の南端に生息するケープペンギンです。
同じくフンボルトペンギン属に分類され、これまた姿もよく似ている... と、いうことは?
はるか昔、大西洋を渡ってアフリカにたどり着いた、このペンギンの祖先がいた、ということでしょうか!?
どのような分化の経緯をたどったのかはわかりませんが、この4種、よく似た特徴と生態を持ち、温帯から熱帯の温かい海で、寒流がもたらす海の恵みによって生きてきました。
人にとってもまた大切なこの海を、ペンギンたちとも共存しながら、未来に引きついでゆかねばと思います。
*ご支援キャンペーンは終了いたしました。ご賛同いただき、ありがとうございました。