がま焼き、かば焼き、いかだ焼き
2014/07/26
もうすぐ、土用の丑の日。
「うなぎご予約承り中」といったノボリが町中にはためいています。
今でこそ、うなぎと言えば「白焼き」か「かば焼き」ですが、江戸文化研究家の故・杉浦日向子さんによると、江戸時代の中期になるまで、うなぎは丸のまま、ぽんぽんと3つくらいに切って串に刺し、あぶって粗塩をふって供されていたんだそうです。
その姿が、水生植物のガマの穂に似ていることから、「がま焼き」→「かば焼き」になったというわけです。
この「がま焼き」、身が固くて油もきつく、肉体労働系のおニイさんたちが、力仕事の前に「薬食い」と称して食べた精力剤のようなものだったとか。
ですが、うなぎを開いて、蒸してタレにつけて焼くという料理法があみだされると、またたくまに人気になりました。
その名も名物「いかだ焼き」!
ところが、なぜかこの名は定着せず、「かば焼き」と呼ばれ続けることになったんだそうです。
土用の丑の日に食べるものとしても、今やうなぎが一人勝ちですが、かつては、「土用の丑の日に「う」の付くものを食べると夏負けしない」ともいわれました。
疲労回復や防腐効果のある梅干しでも、体を冷やしてくれる瓜でも良いわけです。
日頃から「精力のあるもの」をたっぷり食べている現代人にとっては、むしろこちらのほうが、理にかなっているかもしれませんね。(広報室・佐久間)。