発表された最新の「地球温暖化の科学」の報告書
2013/09/28
スウェーデンのストックホルムより、温暖化担当の小西です。
9月27日、こちらで開かれていたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第1作業部会の総会が、無事に終了しました。
世界中の各国政府の首脳向けに作られる報告書の「政策決定者向けの要約」が出来上がったのは、最終日の朝。最後の二日はほとんど徹夜で作業が進められていました。
詳しい報告は下記にゆずりますが、
全体としては、温暖化がいっそう進んでいる現状が、さまざまな局面から示される結果となりました。
それでも今回の総会で、この「要約」の承認作業に集まった100か国以上の政府の代表たちが、「我が国の大臣がよく理解できるように」という言葉を多く口にしながら、一文一文を真剣に吟味していたのは印象的でした。
また、各国から次々に繰り出される質問や文言の書き換えの要求について、報告書の各章を担当した主執筆者の科学者たちが、研究の限界や前提を丁寧に説明しながら、却下したり表現を工夫したりする作業も目の当たりにし、これだけの科学者、政府関係者たちが一堂に会して、温暖化の報告書を真摯に作り出していく様には素直に感動をおぼえました。
今回まとめられたIPCC第1作業部会の報告書は、世界のさまざまな研究の成果を集大成した科学の報告書です。
その中身を活かせるか、取り返しのつかないレベルまで温暖化が進むのを食い止めることができるかは、これから世界の国々が、どのような政策を選び、決めてゆくかにかかっています。
徹夜明け、もうろうとした頭でこの原稿を書いていますが、これだけの科学の報告書が示す知見を、ぜひ活かした社会としていきたいものだと心から思います。今を生きている、私たちの世代の責務として。
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