ストックホルムでのIPCC会議場より!
2013/09/24
スウェーデンより、温暖化担当の小西です。
温暖化の最新の科学の報告書を発表する、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の総会が、ここストックホルムではじまりました。
今回の会議の会場には、伝統のある元ビール醸成工場の建物が使われています。
モダンな雰囲気に包まれている上、いくつもの島でできている町なので、この会場もご多分に漏れず海に面しており、景色が非常に良い場所にあります。赤レンガの建物に、赤く色づき始めたツタがからんで、おとぎの国のような美しさです。
夜はスウェーデン政府主催のレセプションが開かれましたが、こちら会場は、かのノーベル賞受賞が行なわれる由緒ある建物とのこと!スウェーデン王国、おもてなしもさすがの国です。
さて、肝心の会議ですが。
今度の会議では、IPCCがまとめた報告書の「要約」を作る作業が進められます。
この要約は、政策決定者、つまり世界の政府に向けて作られるもので、なんと一文一文、各国の政府代表団から承認をとっていきます。参加国は115か国にのぼりますから、大変な作業です。
もちろん、科学の報告書ですから、中身を大きく変えることはできませんが、表現の仕方や何を要約に入れて、どれを落とすかなどは、この政府同士の交渉にゆだねられます。
各国の政策に深くからむ温暖化の報告書ならではの手続きといえるでしょう。
会議は一日目から、このテキスト承認作業が開始されました。
ここで作られた要約が、各国の温暖化政策を左右すると言っても過言ではありません。
WWFからも世界各国の約10人のスタッフが参加し、承認のプロセスを見守っていますが、先は長そうです。