「パリ合意」に向けて!COP21閣僚級会合始まる(動画あり)


フランス・パリより、温暖化担当の小西です。

COP21は2週目を迎えました。

例年のCOP(締約国会議)では、閣僚級会合は2週目の後半に始まりますが、今回のパリ会議では、閣僚級会合は日曜日に始まりました。

この日程一つにも、「パリ会議を成功させる」という議長国フランスの強い意志が表れています。

会議の成功、それは、確実な温暖化防止を実現する世界の新しい約束「パリ合意」を成立させることです。

それに向けた世界の意志は、会議初日の首脳級会合で示され、7日の月曜日に再び、閣僚級会合の開会式でくり返されました。

国連の潘基文事務総長は、各国を歴訪するなかで出会った若者たち――水没の危機に瀕したキリバスの少女や、北極海の海氷が融けているノルウェーの少女が、「あなたの決断が私たちの未来なのです」とパリ会議の合意を求めたことを紹介。

彼らの声を代弁して「みなさんの決定が人類と地球にとって持続可能な未来を築く土台をつくるのです」と、各国の環境大臣たちに向かい、そのメッセージを届けました。

「もしツバルが救われるなら、世界が救われるだろう」ツバルのエネレ・ツシネ・ソポアンガ首相の演説。ツバルは温暖化による海面上昇で、消滅の危機にあります

閣僚級会合で演説する潘基文国連事務総長

さらに、国連気候変動枠組条約のクリスティアーナ・フィゲレス事務局長も、「パリ会議の合意が、未来の世代からの問いにも応えられるものでなければならない」と説き、次のように語りかけました。

「歴史を変える機会は、いつでも、誰にでも、与えられるものではりません。歴史は今、ここにいる皆さんを選んだのです」

地球温暖化をめぐる国際交渉は、国益と国益がぶつかり合う場となってきました。

しかし、地球益が守られなければ、国益を守ることはできません。

人類、そして地球上の多様な生物が生き続けるための地球益を守れるか。世界の目、そして歴史の目が、パリに注がれています。

フィゲレス事務局長

会議場の周辺で、各国代表に1.5度目標を掲げるよう求める若者たちのアクション

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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