いよいよ大詰めのCOP21 問われる「目標」の見直し(動画あり)
2015/12/11
国連の気候変動会議「COP21」が開かれているフランスのパリより、温暖化担当の山岸です。
COP議長をつとめるファビウス仏外相が「パリ合意」の採択をめざす11日(金曜日)の午後6時まで、24時間を切りました。
9日午後に出された合意草案をめぐる交渉は夜を徹して行なわれ、その結果を反映した修正案が10日の午後に発表される予定でした。
厳しい交渉を反映して、その時間は午後7時に延期され、ようやく9時に発表されました。
この合意草案を基に、各国の政府代表団は、再び徹夜で最終合意に向けた交渉を続けています。
そのなかでNGOが重視している論点のひとつが、「パリ合意」が発効する2020年より前に、現在の国別目標案の見直しを行なうことです。
現在までに185か国が、2025年か2030年に向けた温室効果ガスの国別目標案を国連に提出しています。
しかし、すべての国の目標を合わせても、危険な気候変動を防ぐ目安となる、平均気温の上昇を「2度未満」に抑える、という目標は、達成できないことがわかっています。
そのため、合意草案には、世界全体の取り組み状況を5年ごとに確認した上で、各国は削減目標を5年ごとに見直して新しい目標を提出する、しかも新しい目標は古い目標より強化することによって、各国がたゆむことなく削減目標を引き上げ続けていくしくみが盛り込まれました。
問題は、その5年サイクルの見直しをいつ始めるか、です。
パリ合意が発効する2020年までに、各国の目標が引き上げられなければ、現在の不十分な削減目標が固定されてしまうからです。
そのため、WWFをはじめとする世界のNGOは、2020年より前に世界全体の取り組みを確認し、2020年に各国がより高い削減目標を再提出することによって、各国の取り組みを強化することを求めているのです。
その内容が反映されるかどうか。最終日の交渉を注視したいと思います。