メカニズム担当はドイツ語がお好き?


メキシコ・カンクンのCOP16会場より、温暖化担当の山岸です。
今回の会議もそうですが、国連会議では多くの項目について、同時に議論が進みます。そこで、WWFのようなNGOは、協力してテーマを分担し、ワーキンググループを作って内容をフォローします。

私は「メカニズム」のワーキンググループを担当しています。
このグループは、京都議定書の「柔軟性メカニズム」(国際的な排出量取引、クリーン開発メカニズム(CDM)、共同実施(JI))というの3つの仕組みのルールや、別の新しいメカニズムを作るかどうか、という交渉を追い、意見をまとめています。

メンバーは10名ほど。国際会議が一般的にそうであるように、議論は英語が基本で、共同で作る意見書等も全て英語です。
ところが、このグループは、なぜかドイツ語を話す人が沢山います。ドイツ人はもちろん、オーストリア人、そしてアメリカ人まで、なんだかやたらと語学に堪能で、5カ国語くらい喋る人もいたりします。

議論でもちょっと油断すると、話がドイツ語に切り替わっていて、訳が分からなくなる(!)ことが。そういう時は「ちょっと待ってくれ!」と止めなければなりません。
他ではこんなことはあんまり聞かないので、このグループの傾向のようです。

こうした議論は本当に大変なのですが、いろんな人たちと一緒に、温暖化防止という目標に向かって仕事ができるのは、国連会議の1つの醍醐味。他では得られない経験です。
会議が終わる週末まで、引き続き頑張りたいと思います!

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グループの「ドイツ語な」面々。カンクンはカリブ海に面した一大リゾート地で、COP16会議場もビーチに面したホテル。NGOは、こうして外でミーティングをすることもあります。

 

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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