ビッグデータで野生生物取引のトレンドを予測?
2017/10/02
ペットとして、また象牙のようにさまざまな用途で加工される品として、今、世界ではさまざまな野生生物が取引されています。
最近はインターネット上での野生生物取引が急増。違法な取引(密輸など)も増加しています。
そんな中、野生生物の取引を監視するトラフィックでは、この野生生物のサイバー犯罪(Wildlife Cybercrime)をテーマとしたワークショップを先月、北京で開催しました。
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主催はトラフィック中国で、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア地域の8つのオフィスからスタッフが集結。この問題について検討を重ねました。
しかし、取引される野生生物は多種多様。件数も多く、取引サイトも、eコマースサイトから、SNS、非公開サイトまで、星の数ほど存在します。
これらをすべて調べるのは容易ではなく、取り締まりももちろん、困難をきわめます。
そこで、アメリカのWWFとトラフィックが試験運用を行っているのが「ビッグデータ」の活用です。
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ワークショップの様子。調査を行ない、各国の警察やサイト運営者に知らせる活動に取り組むスタッフたちが熱心に参加しました。
これは、サーチエンジンに蓄積されるデータを分析して、野生生物取引のトレンドを読み取ろうという試みで、現在追跡している種は6万種。
近年日本でペットブームが巻き起こった「カワウソ」や「フクロウ」もしっかりとデータに捉えられていました!
新たな需要を検知し、違法行為を早期に発見する、まだ始まったばかりのエキサイティングな取り組みです。
今後、調査する国や動植物種を増やし、データ分析ができる人材を集められれば、こうした取り組みには、もっと大きな効果が期待できます。
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中国最大の検索エンジンを運営するBaidu本社を訪問。AI(人工知能)ロボットと一緒に
まだまだ人手不足の状態ですが、私たち日本のスタッフも、海外と連携し取り組んでいきますので、皆さまもぜひ、こうした活動をご支援いただければと思います!(トラフィック 北出)
関連情報
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タイで押収された違法取引の象牙。今も象牙やその製品の密輸は後を絶ちません。