荒れ模様のバンコク会議場より


タイのバンコクより、エネルギー・温暖化担当の小西です。
ここでの温暖化会議も中盤に入りました。先日は、温暖化防止条約の特別作業部会の中途報告会議が開催されましたが、すでに“どんぱち”が始まっています。

この「条約部会」は昨年のダーバンCOP17会議で、今年末のドーハで開かれるCOP18において、京都議定書の特別作業部会と一本化され、「2020年以降の枠組みの特別作業部会」が新設されることが決まりました。

ところが、途上国がそれに強く反発しています。理由は、「条約部会」には、先進国から途上国への資金援助や技術支援などを話し合う場であるから。現状の援助が全く不十分な中、議論の場を閉ざしてしまうことへの警戒です。

日本やアメリカ、オーストラリアなどは、議論は条約の補助機関や新しく設立したグリーン気候基金などで継続できるのだから、「条約部会」をドーハで終えるべきだ、強く主張していますが、フィリピンや、中国、インド、ケニア、サウジアラビアなどはこれに激しく反発。

「今まで結論を見ることのなかった論点を、補助機関など他に移しても、結論を見るはずがない。ドーハCOP18で何らかの決定が出ない限り、条約部会は残す」と主張しています。

バンコク会議5日目の全体会合は、始まりも1時間遅れ、終わりも7時半まで延長。会議終了まであと2日、険悪なムードが立ち込めていますが、なんとかドーハCOP18前に糸口を見つけてもらいたいものです。

タイの刺激的な食事続きに、弱い私の胃も抵抗しはじめましたが、腹痛を抱えながら世界のWWFの仲間たちとともにがんばっています~!

なお、9月11日に東京で、このバンコク会議の最新情報もたっぷり話す環境とエネルギーのセミナーを予定しています。ぜひ来てくださいね!

  • ※セミナーは終了いたしました。ご参加ありがとうございました
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京都議定書特別作業部会(京都議定書の第2約束期間(2013年以降)を議論する場)

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ホテルの前は地元レストランでいっぱい。タイ料理はおいしくて安いのだけど、すごく刺激的で私の胃にはずっしりコタえます

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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