バンコク会議終了!議論は進み始めましたが、遅い~~
2012/09/08
温暖化担当の小西です。
バンコクでの気候変動に関する国連会議が5日、午後9時の予定を3時間過ぎて終了しました。
昨年のダーバンCOP17でようやく合意できた「2020年以降の新たな枠組み作り」の議論がやっとスタート。まだ各国意見を言いっぱなしの状態ですが、議長がそれを報告書にまとめ、前へ進もうとしています。
国連の会議って難しいことを話し合っていると思われるかもしれませんが、本質は実に単純です。
「今、危機的に深刻化している温暖化の速度をいかに緩め、気温上昇を危険なレベル以下に抑えられるか」
温暖化は残念ながらもう止められません。私たちに残された道は、気温上昇をどのレベルで止められるか、という選択だけ。今の勢いでは、100年後に4度以上、上昇してしまいます。また、2020年に向けて主要各国が国連に提出した、現在の削減目標や削減行動を足しても、まだ3度は上昇してしまうレベル。
人類が温暖化と共存するには、産業革命前に比べて気温上昇を2度未満に抑えねばなりませんが、そのためには少なくとも、世界全体の削減量を2倍にしなければなりません。
それをどうやって達成するか。必要な削減量をどう各国が分担するか。また開発優先の途上国が削減行動を同時に行なえる支援の道筋をどう作るか。
この3つが国際交渉の中心で、バンコク会議でもこれをコアに議論が行なわれました。
が、結論から言うと、削減量の積み上げ議論はまだ初期段階。分担の枠組み作りはやっと話し合いがスタート。そして2012年内に決まる予定の途上国への支援は、いまだ合意の見通しがたたない、といった感じです。
困難な国際交渉ですが、避けては通れない道。なるべく早く地球が必要とする合意が達成できるように、各国のWWFスタッフも本当に微力ながら頑張っています!
次の会議は、いよいよCOP18。カタール・ドーハで11月26日から開催されます。
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- ※セミナーは終了いたしました。ご参加ありがとうございました