【動画あり】国連気候変動会議COP23「フィジー会議」始まる
2017/11/09
ドイツのボンより、温暖化担当の小西です。
11月6日、国連の気候変動会議(COP23)が始まりました。
場所こそドイツですが、議長国は南太平洋の島国フィジー。
小国ながら、地球温暖化の国際会議では大きな存在感と影響力を発揮し、交渉を牽引してきました。
フィジーには、そうならざるを得ない理由がありました。
CO2をほとんど排出していないにもかかわらず、最も深刻な温暖化の被害を受ける国の一つとなっているためです。
気候変動はまさに、国の存亡を賭けた闘い。
そのため、温暖化の被害に強く受ける国々を結集して、AOSIS(小島嶼国家連合)やCVF(気候脆弱性フォーラム)を組織し、自らも再生可能エネルギー100%を宣言する一方、先進国などに対策を求めてきました。
また「パリ協定」が成立した会議(COP21) でも、EUの呼びかけに答えて「高い野心連合」を結成。
アメリカを含む100か国 以上の参加を得てパリ協定を成立に導いた立役者ともなりました。
それを世界で最初に協定を批准した国となったのでした。
そして迎えた今回のCOP23。
議長国となったフィジーのフランク・バイニマラマ首相は、その開会式でこう述べました。
「私たちはパリ協定の最も高い目標を達成する。それは世界の気温上昇を産業革命前に比べて「1.5℃未満」に抑えることです」
この目標は、平均気温の上昇を「2℃未満」に抑える交渉が重ねられる中、小島嶼国があえて求め続けてきた悲願であり、長い闘いの果てに手にした成果でした。
これを実現する意思を、バイニマラマ首相はあらためて訴え、締約国の結束と協力を求めたのです。
COP23は、パリ協定の実施指針となるルールブックの策定と、「促進的対話」の内容を決める重要な会議。
その成功を導く議長国フィジーの強いリーダーシップに期待したいと思います。