日本が「化石賞」1位を共同受賞
2012/11/27
カタールのドーハより、温暖化担当の小西です。
毎年のCOPでは、気候変動問題に取り組む世界の700以上の団体がつくるCAN(気候行動ネットワーク)インターナショナルが、その日の交渉に後ろ向きだった国に「化石賞」を与えています。
日本はこの不名誉な賞の常連ですが、COP18では初日から、アメリカ、カナダ、ロシア、ニュージーランドと共に、第1位を受賞しました。
理由は、いずれも温暖化に責任のある先進国でありながら、唯一の法的拘束力のある「京都議定書」の枠組みから「逃亡」したこと、です。
アメリカは京都議定書を批准せず、カナダは離脱、日本とロシアとニュージーランドは第2約束期間の削減目標を拒否と、「逃亡」の方法は異なります。
が、とりわけ、2年前のCOP16の初日、「いかなる条件下、環境下でも、日本政府は第2約束期間の目標を書き込むことはない」と明言した日本政府は、米国を除く一連の「逃亡」を先導したとして、厳しい目を向けられています。
京都議定書を生んだ日本のこの発言で、他国は追随しやすくなりました。「約束もみんなで破れば恐くない」というわけです。
一方、会場に明るい希望をもたらした国もありました。
COP18の初日にオーストラリアが「2000年比で2020年に5%削減に相当する数値目標」を京都議定書の特別作業部会に提出したのです。野心的とは言えない目標ですが、「各国が同様の削減努力を行なうなら最大で2000年比で25%まで引き上げる」とも付け加えました。
今、異常気象が世界中で起きています。
ハリケーン・サンディはアメリカやカリブ諸国に甚大な被害を与え、ブラジルや中国は水害に襲われ、アメリカやメキシコ、アフリカは歴史的な大旱魃に、ヨーロッパは熱波に見舞われています。今は、気候変動の現実から目を背けるのではなく、行動するときなのです。
各国が削減目標を引き上げなければ、気候変動とそれに伴う災害は、より深刻化するでしょう。先進各国の交渉姿勢を、世界が注視しています。