今年2回目の国連気候変動ボン会議開催中


ドイツのボンより、温暖化・エネルギー担当の山岸です。
6月3日から、今年2回目の国連気候変動会議が、ここボンで開催されています。今回は、次週14日金曜日までの予定です。

私は、今回は事情によりやや遅れて、木曜日からの参加となりました。

参加した初日から、朝はAOSIS(小島嶼国連合)の交渉担当官との意見交換がありました。小島嶼国は、太平洋の島国等からなる連合で、気候変動からもっと影響を受ける国々として、いつも交渉の中では、積極的な提言をします。

前回の会合の時に、彼らが提案した再生可能エネルギーと省エネルギーに関する議論を深めていくためのプロセスの提案が、今回の会議でも1つの注目の的となっています。今回の意見交換は、WWFがそうした提案にどうやって協力できるかを意見交換したものでした。

その後、昼からは、今度は日本政府代表団との意見交換を他のNGOと共にしました。今回の会議の展望を聞くとともに、今後のプロセスの中で日本に積極的な役割を果たしてほしいという希望を伝えました。

会議全体の様子としては、今回の会議の一部分である、SBI(実施のための補助機関)という会議体の総会で、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンが、昨年のドーハ会議での決定の仕方に不服があるとして、自分たちが提案する議題を入れ込まないと会議を進めることに合意しないと粘っており、月曜日から、このSBIという部分に関連する議題がずっと完全ストップという事態が続いています。

ちょっと異例な状態ですが、でも、それ以外の部分は、割合と普通に議論が進んでいますので、なんとか、議論は進むのではないかと期待しています。

初日からバタバタとしていますが、今回の会議がきちんとした成果を生み出すように見守っていきたいと思います。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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