国連気候変動ボン会議。第2週目の始まり
2013/06/11
ドイツのボンより温暖化・エネルギー担当の山岸です。
国連気候変動会議の第2週目が始まっています。
金曜日が最終日なので、そろそろ会議の着地点が見えているといいのですが、やっぱりというか、いつもの通りというべきか、まだ見えておりません。
新しい国際枠組みについて議論をしているダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)では、会議の最終成果物としてきちんとした形の合意文書を作るか、それとも簡単な議論のまとめにすることにして、もう少し自由な議論をするかで、相変わらず途上国と先進国の間で意見に隔たりがあります。
今日、さらにやや心配な兆候が出てきました。
太平洋の島国等からなるAOSIS(小島嶼国連合)が提案をしている、「再生可能エネルギーと省エネルギー分野に着目して、国際的な経験等を共有することで、削減努力の底上げをはかろう」という案について、中国、ベネズエラ、サウジアラビア等からなる一部の途上国のグループが、表向きは賛成しながらも、よく聞くとやや難色を示しているととれる発言をし始めたのです。このAOSIS提案は、先進国も前向きになっているところだったので、ここでまた話しがこじれると、非常にやっかいです。
同僚の中には、それほど気にならなかったという人もいるので、私の杞憂であるといいのですが...
さて、私は会合を傍聴しつつ、午後にサイドイベント、つまり公式な交渉とは別の、研究機関などが開催するセミナーに、パネルディスカッションのパネリストとして参加してきました。クリーン開発メカニズム(CDM)の将来、というやや専門的なテーマだったのですが、多くの人が集まり面白い議論でした。こういうイベントも、各国の政府代表との貴重な交流機会です。
会議終盤、非公式会合と呼ばれる密室会議が増え、NGOがきちんと傍聴できる会議が減ってきているのですが、情報を集めて、働きかけは続けていきたいと思います。