ドイツより。国連気候変動ボン会議も終盤へ


温暖化・エネルギー担当の山岸です。
ドイツ・ボンで開催されている国連気候変動ボン会議も、今日(木曜日)を含めてあと2日となりました。昨日は、NGOと日本政府代表団との2回目の意見交換があり、有意義な議論ができました。

会議では、中心議題を議論する場であるダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)において、共同議長から、今後の議論の進め方についての提案が出ています。各国に意見提出を求めたり、事務局に新しく資料となるテクニカル・ペーパーを作成したりすることを求める内容です。今日の午後に総会があり、順当に行けば、それが採択されて次回に引き続き議論がされる予定です。

議論の中身について簡単に紹介すると、ワークストリーム1と呼ばれる2015年合意へ向けての議論では、各国が2020年以降の目標(おそらく、2030年位へ向けての目標)をどれくらいの時期に出すのか、等の論点が各国の間で話題になり始めています。日本国内の議論は、こうした流れと比べるとかなり遅れているので、今後が懸念されるところです。

ワークストリーム2と呼ばれる2020年「まで」の排出量削減努力の底上げに関する議論では、AOSISが提案した「省エネと再生可能エネに焦点を当てて、情報や経験を共有し、底上げをなんとかはかるプロセスを作っていこう」という提案が概ね支持を得ていますが、どうやって具体的な成果に結びつけていくのかが課題です。

明日はこれに続いて、SBSTA(科学および技術的助言に関する補助機関)とSBI(実施に関する補助機関)の総会があり、こちらも順当に行けば、今回の会議は終了です。

私たちNGOが影響をおよぼせる範囲というのは、こうした会議終盤になると減ってくるのですが、それでも、次回を見すえて、NGOのメンバーは今日も国や地域の代表団との非公式な意見交換等をしています。私も、今日もそうした会合の1つを行う予定です。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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環境保全団体です。

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