オリンピック・パラリンピック「持続可能な水産物」で お・も・て・な・し


水産担当の植松です。

ロシアのソチで行なわれているオリンピック。

寝不足になりながらも、注目の競技をご覧になっている方、いらっしゃるかと思います。

このオリンピック・パラリンピックは近年、さまざまな側面から、環境配慮をとても徹底するようになってきました。

そこで活躍しているものの一つが、MSCとASCの認証を受けたシーフードです。

MSCは天然水産物、ASCは養殖水産物。

それぞれ国際的に認められた認証で、私たちWWFも「持続可能な漁業」を推進するため、その普及をめざしています。

実は、2年前のロンドン・オリンピックの会場のレストランで出された魚や貝は、すべて、このMSCとASCの認証を受けたシーフードでした。

また、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック組織委員会により、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでも、供給されるすべての水産物を、MSC、ASCの認証を受けたものとする、と発表されています。

しかも、開催国ブラジルは国として、2016年までに持続可能な漁業を推進し、オリンピックにできるだけ自国の持続可能な水産物を提供する、という方針まで打ち出しました。

2020年には、東京でもオリンピック・パラリンピックが開催されますが、こうした環境配慮の側面からも、世界から注目を集めることになるでしょう。

東京オリンピック・パラリンピック開催まであと6年。

ですが、現在までにMSC・ASC認証を得た日本の水産物はわずか3つです。

これをもっと増やして、すばらしい国産の持続可能な水産物で、世界の方々を「お・も・て・な・し」できたら素晴らしいですね。

ASCのマーク。認証を受けた製品にはラベルが貼られて販売されるため、消費者にもそれが環境配慮型のものかどうか、一目で分かるようになっています。

MSCのマーク
MSCI0263
http://www.msc.org/

MSCラベルつき商品

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自然保護室(海洋水産 IUU漁業対策マネージャー、水産資源管理マネージャー)
植松 周平

農学博士。東京大学大学院農学生命科学研究科において水域保全学に関する博士号を取得。その後、経営コンサルティング会社を経て、国際水産資源研究所(現 水産研究・教育機構)に入所。太平洋クロマグロの資源研究を行う。2013年よりWWFジャパンで勤務し、マグロ、カツオ、サンマといった国際水産資源の保全やIUU漁業対策に関わる業務に加え、事業戦略立案や各種業務改善等の社内コンサルタント業務にも従事。2021年には水産庁水産流通適正化法検討委員を務めた。

子供の頃から、田んぼや川、海で遊ぶことが大好きでした。高校生の時、幼少時の遊び場の環境破壊を目の当たりにし、「なんとかせねば」と思い環境保全の道を目指すことに。環境保全とは、生き物だけでなく、人々の生活も守ること。それは、とても難しいことだけど必要なことです。海洋保全研究者だけでなく、経営コンサルタントの経験も活かし、子供たちの未来のために、皆様と一緒に頑張っていきたいです。

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