横浜にて IPCC総会の会場より
2014/03/27
横浜で開催されているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第2作業部会の会議 に参加しています。
今回の会議では、「温暖化の影響」についての新しい「報告書」の要約を、集まった世界各国の政府が1行ずつレビューし、承認する作業が行なわれています。
現時点で終わったのは、全40ページのうちまだ5分の1以下...
前回、昨年9月に「温暖化の科学」の報告書が発表された時も、進行が遅れて最後の二日は徹夜となり、めちゃめちゃ飛ばして、なんとか間に合うといった状況でしたが、今回も時間がかかりそうです。
それにしても、今立てられている温暖化の影響の予測は深刻です。
世界中で増え続ける温室効果ガスの排出量は、今のところIPCC報告書が示したもっとも排出量が多いシナリオ(RCP8.5)をたどっています。
つまり、何も対策をとらなければ、温暖化はいずれ、このRCP8.5シナリオが示す最も甚大な被害をもたらすことになりかねません。
そのシナリオでは、21世紀末の日本でも、大きな影響が及ぶことが予測されています。環境省の報告書も、洪水の被害や熱中症関連の死亡者が2倍になるなど、詳しく見れば見るほど、恐ろしくなる内容です。
一方で、世界の平均気温の上昇を、産業革命前に比べて「2度未満」に抑えるシナリオを選ぶことができれば、温暖化の影響はかなり軽減されることもわかっています。そして、その対策のための時間は、もうあまり残されていません。
今回の「温暖化の影響」の報告書は、私たちが今後どのように温暖化対策に向き合うべきなのか、その判断の基準をあらためて示してくれるものとなるでしょう。報告書は会議の最終日、3月31日に発表されます。(温暖化担当:小西)
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