環境配慮型の都市を目指す!東京都の発表
2014/06/13
ドイツのボンで開かれている国連の気候変動会議が2週目に入りました。
日本の立場だと、いつもは嬉しい事の少ない国際交渉の場で、今日は胸が誇りでいっぱいになる、すばらしい出来事がありました。
日本で最初に「排出量取引制度」を導入した自治体の東京都が、国連に呼ばれて、その経験談を他国と共有するために国際交渉の場に登場したのです。
これは、2020年までに各国が削減する温室効果ガスの量を、少しでも増やすために、温暖化対策に熱心な世界の自治体を集めて、その成功談や課題を共有しようと、専門家会合の場で開催されたものです。
会合ではまず世界銀行や世界のビジネス団体から、都市の温暖化対策を進めることの重要さや企業の果たす役割、そしてビジネスチャンスについてスピーチがあった後、「都市の環境」部門に選ばれたいくつかの都市が、それぞれの取り組みを話しました。
登壇したのは、コロンビアのボゴタや、ウガンダのカンパラ、フィリピンのセブ市など。都市の交通網を整備して大幅に大気汚染を解消し、温室効果ガスを減少させた話や、市長の強いリーダーシップで町が環境都市として劇的に生まれ変わった事例が紹介されました。
そして最後に登場したのが東京都。
簡潔に間接排出対象の排出量取引制度を説明し、制度導入に大きな初期資金は必要なかったことや、資金がなくてもできることがたくさんあること、さらに、いかに参加企業を説得したかなどについてお話があり、会場の各国代表の関心を集めていました。
温暖化を巡る国際交渉の場では、先進国と途上国の対立が非常に深刻ですが、都市同士の間では、汚染や災害対策などの課題や、必要な対応・政策に共通点が多く、同じ目線での協力関係が構築されています。
こうした都市のよい取り組みの側面を、どうやったら国レベルに広げられるか?知恵を絞っていきたいものだと参加者の思いが一致した会合でした。あっぱれ、東京都♪(温暖化担当:小西)
▼関連情報
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専門家会合の様子
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東京都の発表。傍聴していた小島嶼国のナウルとセントルシアといった政府代表からは「この進んだ都市レベルの環境の取り組みをいかに国レベルと協調していけると思うか?」などと真剣な質問がされていました。