乾季のボルネオ島で、スマトラサイの調査に奮闘中!


日本の皆さん、こんにちは。東南アジアのボルネオ島から、WWFインドネシアのユユン・クルニアワンです。

私はこのボルネオ島の東カリマンタン地域で、昨年、20年ぶりに確認された、スマトラサイの保護活動に携わっていますが、この取り組みは、なかなかチャレンジングなもの。

まず、保護計画を立てるために、どこに何頭くらい暮らしているのかを知る必要がありますが、20年もの間、人目に触れることなくひっそりと暮らしていた、このサイの生息状況を把握することは容易ではありません。

2013年、この地域で20年ぶりに生息が確認されたスマトラサイ(ボルネオサイ)を捉えた貴重な映像。

調査には、赤外線センサーでシャッターが切れる、自動撮影カメラを用います。これを使えば、人が常に現場にいなくても、奥深い森の野生生物たちの様子を知ることができるのです。

とはいえ、道の無い現地熱帯林の中にカメラを設置したり、撮影データを回収したりするのはやはり人力。

この9月にも、いくつかの設置地点を回ってきました。道なき熱帯林では、森を流れる川が道路の代わりになります。

川が浅いため、ボートの進む道筋をつくるスタッフ

ところがこの時期は乾季の真っただ中で、水位が浅いためボートが進まず、機材や食糧、テントなどを積んだボートを人の手で引っ張るほかない場所も。

しかも倒木や岩が行く手を阻む難所の連続で、1日にたった1キロしか前に進めない日もありました。

川岸でテント泊を続けながら、カメラの設置地点にようやくたどり着いたのは、1週間後。

しかし、その甲斐あって、ビデオカメラにはサイとおぼしき姿が映っていましたし、近くの木の皮には、角を研いだ痕跡も見つかりました。

自動撮影カメラを設置する様子。カメラの位置は、山の斜面の傾き具合や獣道との距離、標的とする動物の体高などを検討して決める。

今後も私たちは、こうした調査を毎月行なってゆく予定です。

想像以上に大変な現場ですが、それでも、地域住民でさえほとんど足を踏み入れたことのないこの森で、スマトラサイの保護に関われることに、大きなやりがいを感じています。

ぜひ、今後とも日本の皆さまのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

木の幹に、サイが角を研いだと思われる痕跡を発見し、高さを測るスタッフ

★応援メッセージ募集中!★

プロジェクトへのご支援とあわせて、インドネシアの現地スタッフへの応援メッセージも募集しています!ご協力いただける方は、11月5日(水)昼12:00までにこちらのフォームからご入力をお願いいたします。

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