親子二代で挑む!シベリアトラ保護の道


※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。

自然保護室の川江です。
昨年、10年ぶりとなる大規模な調査の結果、個体数増加の傾向が認められたシベリアトラ。

先日ご報告した通り、12月にWWFロシアなどが開催した専門家によるシンポジウムで、その増加が確かなものとして承認されました!

この場をお借りして、私たちの取り組みを支えてきて下さった、日本とロシアのWWFサポーターの皆さまに、心からお礼を申し上げたいと思います。

本当にありがとうございました。

今回、このトラ保護活動の経緯を追う中で、私はある親子に出会いました。

報告記事にも登場するウラジミールさんとセルゲイ・アラミレフさん親子です。

二人とも博士号を持つ専門家であり、ロシアの森とトラを守る活動に長年尽力されてきた功労者。

しかもお二人とも WWFロシアの元スタッフなのです!

お父さんのウラジミールさんは1990年代、立ち上げて間もなかったWWFロシアの極東支部の代表を務め、息子のセルゲイさんもつい2年前まで、同支部で生物多様性部門のリーダーの任にありました。

極東ロシアの自然保護をスタートさせた人物の一人である父親と、その背中を追って同じ道を選んだ息子。

まさに、シベリアトラの保護に挑み続ける親子!です。

私は初めてお二人が親子であり、しかもWWFの大先輩でもあると知った時、本当に誇らしい気持ちになりました。

お二人は今も、WWFと強いつながりを保ちながら、関係機関のトップとして活躍されています。

実際、ウラジミールさんが今、代表を務めるラゾフスキー自然保護区とゾフ・ティグラ国立公園は、WWFがまさにこれから取り組もうとしている、アムールヒョウ再導入(野生復帰)計画の最前線!

きっとこれからも、さまざまな形で協力し合いながら、活動を続けていくことになると思います。

トラやヒョウなどの野生動物たちの情報はもちろんのこと、その保全のため力を尽くす人々の姿も、またご紹介してゆければと思います。
 

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自然保護室長(森林・野生生物・マーケット・フード・コンサベーションコミュニケーション)、TRAFFICジャパンオフィス代表
川江 心一

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修士課程修了。
小学生の頃に子供向け科学雑誌の熱帯雨林特集に惹きつけられて以来30年間、夢は熱帯雨林保全に携わること。大学では、森林保全と地域住民の生計の両立を研究するため、インドネシアやラオスに長期滞在。前職でアフリカの農業開発などに携わった後、2013年にWWFに入局。WWFでは、長年の夢であった東南アジアの森林保全プロジェクトを担当し、その後持続可能な天然ゴムの生産・利用に関わる企業との対話も実施。2020年より現職。

小学生の頃に科学雑誌で読んだ熱帯雨林に惹きつけられると同時に、森林破壊のニュースを知り「なんとかしなきゃ!」と思う。以来、海外で熱帯林保全の仕事に携わるのが夢でしたが、大学では残念ながら森林学科に入れず・・。その後、紆余曲折を経て、30半ばにして目指す仕事にたどり着きました。今でもプロジェクトのフィールドに出ている時が一番楽しい。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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