遭遇!大きなカバと小さな???


WWFの野生生物に関する今後の取組みを検討する会議に参加するためケニアに来ているトラフィックの若尾です。

なんとケニア・ナロック州の支援により、今回の会議はマサイマラ国立公園で開催されています。

世界44カ国から集まった60名を超えるスタッフも、間近に見られるゾウ、キリン、カバ、種々のアンテロープや美しい鳥たちに大興奮です。

特にカバは宿の近くにヒポプール(つまりカバのプール)と呼ばれる池があり、ほんの数メートル先で大きな口を開けている姿やかわいらしい仔カバを観察できます。近くでみると改めてその大きさに圧倒されます。

ヒポプール

そんなヒポプールのすぐ近くで、こんな動物を見つけました。

せいぜい太ったネコくらいの小さな動物。何だかおわかりでしょうか?

ハイラックスです。

つぶらな目をして木の葉を食べている外見からはとてもそうは思えないのですが、ハイラックスは、ゾウやジュゴンなどと近縁の動物とされています。

ハイラックス(イワダヌキ)は、アフリカから中近東に3~11種が分布。

イワハイラックス(Procavia capensis) 和名でイワダヌキと呼ばれることも...。たしかに大きさや格好は似ていなくもないですが、あんまりではないでしょうか。なお、トヨタの車名とは何の関係ありません。

深刻な絶滅の危機には今のところありませんが、いずれも毛皮や食肉を得るために狩猟の対象になっています。さらに近年、狩猟以上に脅威となっているのが、生息地の減少・劣化です。

普段、日本で暮らしているとハイラックスは馴染みの深い動物ではありません。

しかし、アフリカの森林伐採や鉱山開発などには私たちも決して無縁ではありません。

直接間接に私たちの暮らしの影響を受けている野生生物が無数にいることを認識しながら、その保全につながる活動を行ないたいと思います。

マサイキリン(Giraffa camelopardalis)とシマウマ(Equus grevyi)
宿の敷地から撮影。手の届きそうな場所にいましたが、近づくと一定の距離を保つよう離れて行きました。

ソーセージの木
和名はそのままソーセージノキ(Kigelia africana)。ケニアを含むアフリカの固有種。ソーセージに似た実は、地元のビールや伝統薬の材料に利用されるそうです。

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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環境保全団体です。

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