オスライオンのイメージは?


アフリカを代表する野生生物ライオン。
皆さんどんなイメージを持たれるでしょうか? 立派なタテガミを振ってガオォと吼える某映画会社のオープニングのような姿でしょうか? ジャングル大帝(年齢がわかりますね)の立派なお父さんでしょうか?

私は、サバンナでゴロゴロしている姿が頭に浮かびます。
群を守るためにはもちろん戦うけれど、それ以外は、狩りをメスに任せて昼寝をしている、そんなイメージ。しかし先日、それを変える出来事に出会いました。

ライオンのカップル

ライオンのカップル。オスのタテガミが少ないことから若いことがわかります。仲睦まじい様子。 ライオンはワシントン条約の附属書Ⅱに掲載され、国際取引は規制されていますが、近年トラの骨の代替品としての利用などにより取引の増加も懸念されています。

野生生物保護について各国のWWFスタッフと話し合う会議に出席するため、ケニアのマサイマラを先月訪問した時のことです。

フィールド観察の折に、夕方の草原に寝そべる一頭のライオンのオスを見つけました。隣に目を向けると同じように眠たげな様子のメスが。

しばらく見ていると2頭はガウガウとじゃれ合いはじめました。初めて目にしたライオンの交尾はあっという間でしたが、ガイドによると、交尾は15分毎に行なわれ、それが7日間も続くそうです!

オスも命を次の世代につなぐためにがんばっているのだと妙に納得し、ゴロゴロしている姿もカッコよく見えました。

ライオンの交尾

ライオンの交尾。この日は3組のカップルに出会いました。

かつてはここでも、先住民のマサイ族がライオン狩りの儀式をしていましたが、それは過去の話。

現在の脅威は、家畜を殺された住民による報復のための毒殺。そして、人口増加や農地拡大による人との間で起こるトラブルです。

マサイマラ国立公園のレンジャーたちは、動物を密猟から守るだけでなく、こうした地域の問題へも対処するべく日々活動を続けています。

そのレンジャーのチーフはWWFの奨学金で勉強し、今この仕事に邁進しています。

ライオンたちと人が調和して生きられる未来を目指した取り組みが、これからも続くことを祈ったマサイマラの一日でした。(トラフィック 若尾)

オグロヌー(Connochaetes taurinus)の群れ

オグロヌー(Connochaetes taurinus)の群れ。こうした草食動物がたくさんいてこそライオンのような大型肉食獣が生きていけます。

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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